不動産テックとは?テクノロジーが加速させる不動産投資の未来

不動産テックとは?テクノロジーが加速させる不動産投資の未来

金融業界ではフィンテック(Fintech)が急速に拡大しています。

フィンテックとは、金融(Finance)と技術(Technology)を融合させた造語で、金融サービスとIT技術を結び付けた様々なサービスや動きの事を指しますが、不動産業界においても同じように不動産とIT技術の組合せである不動産テックが登場し、これまでなかったようなサービスの提供や技術革新が始まっていきています。

そこで今回の記事では不動産テックの基本知識からイメージしやすい事例、さらに不動産テックによって不動産投資の未来はどうなっていくのかについてお伝えしていきます。

不動産テックとは?

不動産テックという言葉は不動産テック協会によると「不動産テック(Prop Tech、ReTech:Real Estate Techとも呼ぶ)とは、不動産×テクノロジーの略であり、テクノロジーの力によって、不動産に関わる業界課題や従来の商習慣を変えようとする価値や仕組みのこと」として定義されています。

(参考:一般社団法人不動産テック協会 https://retechjapan.org/retech-map/

不動産テックにより、ビッグデータと呼ばれる大量のデータやそれを瞬時に処理できるAIといった最先端のテクノロジーが使われるようになり、これまでアナログ的に行われていた様々な顧客向けサービスや不動産関連業務が革新的に展開されるようになっています。

例えば、遠方の不動産投資家でも現地に出向くことなく、気になった物件の内見をすることが可能な「VR内見」も不動産テックの一つです。その他にも「物件査定」「シェアリング」「マッチング」「クラウドファンディング」といった効率性や利便性を高めた様々な不動産関連事業やサービスが不動産テックにより広まりつつあります。

不動産テックの事例

不動産テックをより身近にイメージできるように代表的な事例をご紹介します。

VR(バーチャル・リアルティ)による物件の内見

先ほども少し触れましたが、VRは不動産テックの代表格といえるでしょう。

オンラインゲームではバーチャル・リアルティの技術を使い、自分があたかも画面に見える空間の中にいるかのような疑似体験ができます。これと同じ技術を使って不動産物件の内見ができるようにしたサービスが「VR内見」です。

収益物件を購入する際には実際に現場に出向いて物件を内見することをお勧めしていますが、物件に対して自宅が遠方にある場合などは内見が困難な場合があります。そんなとき、VRなら現場に行かずに気になる物件を隅々まで、しかも自分の好きなタイミング、ペースでチェックすることができます。

内見のために現場まで足を運ばなくても済みますので、時間と労力、交通費の節約になります。また気になる物件が数多くある場合に、ひとまず概要を把握して物件を絞り込みたいという際にも有効です。

AIとビックデータ活用による高精度な不動産価格査定

不動産を売却する際は、売却価格の算定に悩むときがあります。

そうしたとき、ビッグデータを用いて成約率が高い価格帯を算出して、その価格帯をベースにAIが売り出し価格を提案してくれるサービスも既に提供されています。このサービスでは過去の膨大な不動産取引データをAIに読み込ませることで独自のアルゴリズムによる解析を通じて統計的で高精度な査定価格が算出されます。不動産業者の経験や勘とは異なり、より実勢価格に近く、データとしての正確性や信頼性がもたらされると期待されています。

シェアリングやマッチングサイト

会議室やパーティ会場など空間のシェアリングサイトや、貸したい人と借りたい人を結びつけるマッチングサイトも盛り上がりを見せています。これらのサービスは、貸し手側はサイト上で利用条件を設定しておき、ユーザーがサイト上で希望する条件などを入力するだけで簡単にマッチングが行われ、利用することができるというサービスです。

この利便性に注目し、空家を改修して会議室として再利用する事業者や不動産オーナーが現れるなど、これまで利用されていなかった不動産の活用もされるようになっています。

クラウドファンディングを通じたネット経由の資金調達

クラウドファンディングはITを活用して資金が必要な事業者と出資者をネット経由で結びつけるサービスのことです。不動産業界でもクラウドファンディングは多く利用されるようになっています。

事業者側は、築古物件のリノベーション資金など従来は金融機関から融資を受けることが難しかった案件についても、クラウドファンディングを通して事業に協力してくれる出資者から資金を集めることができます。

一方の出資者は、出資した事業から得られた賃貸利益を配当という形でリターンとして得ることが可能です。物件の修繕や入居者対応といった不動産管理の手間を全て事業者任せにすることができ、預貯金などの余裕資金の範囲内で始める事が出来るといった点から、手間が少なくリスクの低い投資商品として事業に参加する人が増えています。

現在、クラウドファンディングは事業者からは銀行融資に代わる新たな資金調達手法として、投資家からは新たな投資先としてますます期待が高まっています。

不動産テックで不動産投資の未来はどうなるのか?

不動産テックが今後もますます発展していけば、少なからず不動産投資の将来に大きな影響を与えることになるでしょう。

不動産関連情報のより正確な分析や予測

既にAIを利用した価格査定サービスは提供されていますが、不動産テックの発展によりさらに正確で有効な分析や予測が可能になってくると考えられます。

AI(人工知能)はビッグデータと呼ばれる人間が短時間で解析できないほど膨大なデータの分析を瞬時に行い、その分析結果から将来について予測することを得意としています。

不動産テックにおいても、膨大な過去の不動産取引事例などをデータ化してAIに取り込んで分析させれば、市場背景も加味し、売却のタイミングごとに成約が期待できる最も高い査定価格の算出が可能となるでしょう。このサービスが広く普及し活用されるようになれば、査定価格は似通ってくるため、極端に儲ける、損をするというケースは少なくなるかもしれません。

不動産取引の可視化や情報共有の強化

不動産テックが発展していけば、不動産取引のために必要な重要な情報の共有ができるようになり、不動産取引の可視化が期待できるようになります。不動産業界では従来から不動産に関する情報が、不動産業者によって偏在することが問題視されてきました。不動産テックの拡大によって一部の業者だけが保持している重要な情報や公開されていない情報が広く正しく利用者間で共有されるようになることで、不動産取引の可視化が進み、適正かつ透明性のある業界になっていくでしょう。

すでに、クラウドファンディングを利用した不動産取引の中には、商品である物件の情報が詳細にレポートされているものもあります。こうした商品の多くは少額から投資することが可能であり、不動産投資の初心者もサイトに訪れるので、必然的に初心者でも分かりやすい情報であることが求められます。

不動産投資は今や玄人だけの投資術ではなくなってきていますので、この不動産テックの広がりによってますます便利に、誰でも簡単に不動産投資ができる未来がすぐそこまで来ています。

まとめ

今回は不動産テックの基本的な知識や事例、さらに不動産テックと不動産投資の未来についてご紹介してきました。今後の発展によっては、ここではお伝えしていないこれまで考えられなかったような全く新たなサービスが登場する可能性もあり、それにより不動産投資の概念が変わっていくこともあり得るでしょう。不動産投資の未来には今後もますます目が離せなくなりそうです。

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