民泊の可能性と危険性

民泊の可能性と危険性

現在「民泊」についての法律上の明確な定義はありません。住宅(マンション、戸建てなど)の全部または一部を旅行者などに宿泊サービスとして提供することを指す事が一般的な認識となっています。

ここ数年で急速に利用者数・事業者数が増加しています。

 

日本においても近年急増する訪日外国人観光客や国内旅行者の多様な宿泊ニーズへの対応、賃貸マンション、所有戸建の空室対策により地域活性化という観点、未来に控える東京オリンピック時の宿泊施設不足解消など、「民泊」に対する様々な期待が高まっています。

 

一方で「民泊」に関するトラブルや、無許可・違法な民泊営業に頭を抱える地域住民、マンション管理業者、マンション所有者より声が上がっており、その対応の重要性を感じます。

 

これらの課題を踏まえ、平成29年6月に観光庁より『住宅宿泊事業法』が成立し、いよいよ平成30年6月15日から施行されます。

これにより民泊事業者は都道府県知事へ、民泊管理業者は国土交通大臣へ、民泊仲介業者は観光庁への登録が義務付けられることとなります。

 

弊社にも、分譲マンション所有者より問い合わせが多数届いており、改めて民泊需要の多さに驚かされています。

 

管理会社や所有者・近隣住民の心配とは裏腹に内閣府からは国家戦略特別区域法に基づく旅館業法の特例、いわゆる「特区民泊」について平成25年12月に法が制定され、平成28年1月に全国で初めて東京都大田区が取り組みを開始、現在では大阪府、千葉県、北九州市、新潟市が続々と取組み始めております。

 

「特区民泊」の正式名称である「国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業」とは一体どのような事業を指すのでしょうか。現行の日本の法律では、原則として宿泊期間が1ヶ月未満の施設では旅館業法が適用され、フロント設置、宿泊者名簿の作成義務、衛生管理、保健所による立入検査など様々な義務が課されます。しかし、国家戦略特別区域法第13条では、下記のように定められています。

 

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国家戦略特別区域会議が、国家戦略特区法の特定事業を定めた区域計画について、内閣総理大臣の認定を受けたときは、当該認定の日以後は、国家戦略特区法の特定事業を行おうとする者は、その事業について都道府県知事の特定認定を受けることにより、その事業には、旅館業法の規定は適用されない。

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具体的には、「国家戦略特区において外国人旅客の滞在に適した施設を賃貸借契約に基づき条例で定めた期間(3日~10日)以上使用させ、滞在に必要な役務を提供する事業として政令で定める要件に該当するもの」については、旅館業法の適用除外となります。なお、「国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業」という名前がついているものの、実際には滞在するのは日本人でも外国人でも構わないという状況です。

現在の規制の中では『民泊』を率先して取り入れていくことは難しい反面、緩和しすぎると衛生面や治安面での問題が浮き上がってきます。まだまだ問題や課題が山積みです。

しかし、現在の宿泊施設の不足解消や、空室リスクを軽減するという意味では、『民泊』は不動産業界にとって新しいチャンスであると捉えることができます。弊社も管理会社として『民泊』知識を蓄積し、負の面だけではないプラスの部分を提案できるように、努めてまいります。

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