50万円から始められる新しいスタイルの不動産投資、不動産特定共同事業とは

作成日:2019.06.03

新たな投資手法として注目を集める不動産特定共同事業。事業許可を取得する企業も年々増加し、4月からは不動産特定共同事業のスキームを利用したクラウドファンディングに関わるガイドラインが新たに策定されるなど、世間からの関心も高まっています。

そんな不動産特定共同事業について、そもそもどういった事業なのか?メリットやデメリットは何なのか?どのような人に適した投資商品なのか?といった内容を簡単にご説明させて頂きます。

不動産特定共同事業とは

不動産特定共同事業とは、複数の投資家から集めた出資金で不動産を取得し、取得した不動産を運営して得られる収益を投資家に分配する事業の事です。不動産小口化投資商品とも呼ばれ、新たな不動産投資の手法として少しずつ広がりを見せています。

不動産特定共同事業のスキーム図(イメージ)

不動産特定共同事業のスキーム図(イメージ)

小口投資の手法そのものはバブル期から存在していました。バブル期には1口1億円といった今では考えられないような金額の小口化商品が売買されており、不動産の資産価値が右肩上がりであった当時は投資家にとって非常に魅力のある商品でした。しかし、バブル崩壊により資産価値は急落。多くの投資家が損失を被ることになりました。

このような状況を受け、1995年に投資家保護を目的とした「不動産特定共同事業法」という法律が制定されました。現在はこの法律に基づく許可を得た事業者のみが小口化商品を取り扱う事が可能となっています。事業許可取得には資本金が1億円以上、直近3期の財政状況が健全であることなどの厳格な資格が求められており、事業責任の取れない企業や過去に問題のあった企業などが簡単に参入できないようにする仕組みが取られています。

不動産特定共同事業の種類

不動産特定共同事業にはいくつかの種類が存在しますが、大きく分けると「匿名組合型」と「任意組合型」という2種類に分けられます。

匿名組合型は、投資家と事業者の間で匿名組合契約を締結して事業を行うものです。投資家は組合に対して金銭出資を行い、事業者はその金銭を元に不動産を取得します。事業者が不動産の所有者となって運営・管理を行い収益を投資家に分配します。

任意組合型は、投資家と事業者の間で任意組合契約を締結して事業を行うものです。投資家が組合に出資を行う点は同じですが、投資家は不動産の共有持分を持つ形になるのが匿名組合型と異なる点です。配当は不動産所得となるため不動産税制の適用を受ける事が可能です。(匿名組合型の場合は雑所得扱い)

このように、一口に不動産特定共同事業と言ってもその内容・特性は全く違ったものになりますので、自分の投資目的やスタイルに合った商品を選ぶことが重要です。

任意組合型と匿名組合型の主な特徴
  任意組合型 匿名組合型
不動産の所有権 資家が有する
(※組合に現物出資)
事業者が有する
配当金の扱い 不動産所得 雑所得
不動産による節税効果 あり なし
主目的 不動産の資産圧縮効果による相続税対策 資産形成
投資額 比較的高額
(数百万円~)
少額から可能
(数万円~)
元本や分配金へのリスク対策 特になし 優先劣後出資(※下図参照)による優先出資者の保護
優先劣後出資イメージ

優先劣後出資イメージ

メリットとデメリット

不動産特定共同事業のメリットは何と言っても少額から始められる点です。従来の不動産投資では少なくても数千万、都心の物件であれば数億といった資金が必要となり、投資を行える人は限定されていました。不動産特定共同事業の場合、数万円から始められる商品もあり、これまでの不動産投資とは一線を画すものになっています。

また、不動産の維持管理にかかる手間が少ないのも特徴です。実際に不動産のオーナーとなる場合、物件の維持管理に多くの手間がかかりますが、不動産特定共同事業の場合、基本的には事業者が不動産の運営・管理を全て担うため、投資家の皆様が物件の維持管理を行う必要は基本的にありません。

その他、少額から投資を行える特性を生かし、資金を一つの物件に集中させずに複数の商品に分散投資することで空室リスクや値下がりリスクを分散させることができる優先劣後システムにより元本・分配金へのリスク対策が図れる(※匿名組合型のみ)、不動産の資産圧縮効果を利用した節税ができる(※任意組合型のみ)、などのメリットが挙げられます。

他方、デメリットも存在します。

一つは事業参加にコストがかかる事。組合を代表して不動産を運営する事業者に対し、理事長報酬や管理手数料を支払う必要があるため、配当利回りは自ら1棟ものの不動産を所有した場合の利回りと比べて低くなることが多いです。

また、そもそもの投資金額が低額すぎる(1万円など)場合、利回りが4%であっても1年後に得られるお金は400円にしかならないため、ある程度の資金は投下しないと振込手数料や解約手数料などの費用の方が多くなってしまう可能性があります。

一般的な不動産投資であれば、銀行融資を利用してレバレッジを効かせることが可能ですが、不動産特定共同事業の対象不動産を担保に銀行融資を受けることはできないため、投資におけるレバレッジを効かせることができないという点も投資効率の観点からはデメリットと言えるでしょう。

不動産特定共同事業のメリット・デメリット
メリット デメリット
  • 少額から始められる
  • 維持管理の手間が不要
  • 分散投資による空室リスク対策が可能
  • 優先劣後システムによるリスク対策(※匿名組合型)
  • 節税効果が得られる(※任意組合型)
  • コストがかかる(事業者への報酬など)
  • 投資金額が低すぎると得られるリターンよりも費用が上回るリスクがある
  • レバレッジ効果は得られない

どんな人に向いている?

ここまでは不動産特定共同事業がどういったものか、どのような特徴を持っているのかを説明させていただきました。そのうえで、不動産特定共同事業はどういった人に向いている投資なのかを考えてみたいと思います。

まず考えられるのは、ある程度の預貯金を持つ若年層の方たちです。不動産投資に興味はあるが維持管理の手間は負いたくない、資産はあるが何に投資をして良いかわからず定期預金に回してしまっている、そういった人たちには検討の価値がある商品と言えます。

今の時代、預貯金で得られる利息だけで資産を形成することは困難です。将来に向けて資産を増やしたい、老後の対策を若い内から始めておきたい、そういった考えを持っているけれども何もできていないという人にとって、少額から始められる不動産小口化商品は投資の基礎を学ぶ上でも有効です。

また、相続を控えたシニア層の方たちにも有効と考えられます。任意組合型の商品の場合は不動産税制の適用が受けられ、相続税評価額が最大で80%程度圧縮できるという点から、これだけでも相続税対策として十分魅力的な商品なのですが、さらに1棟ものの不動産を所有した場合と比較して、相続時の分割が容易であるという点が挙げられます。

1棟ものの不動産の場合、いざ相続をするとなった場合に資産価値の違いから平等に相続をすることが難しく、そもそも1棟しか持っていない場合はどうやって持分を分けるのかと言った問題が出てきます。小口化商品の場合、予め相続を想定した口数を購入しておくことで、相続人に対して均等・平等に資産の相続を行う事が可能になります。

まとめ

不動産特定共同事業についてご紹介させて頂きましたがいかがでしたでしょうか?ざっくりとまとめると「リスクは抑えつつ、手軽に始められる不動産投資」という風にご理解頂ければ良いかと思います。

アイディ株式会社でも2018年に不動産特定共同事業の許可を取得し、現在は1号商品の運用中となっています。2019年中に匿名組合型の2号商品を募集開始予定となっておりますので、より詳しく知りたい、商品が出たら説明を聞いてみたいなどのご要望がございましたらお気軽にお問合せ頂ければと思います。

不動産特定共同事業とは?
複数の投資家から集めた出資金で不動産を取得し、取得した不動産を運営して得られる収益を投資家に分配する事業の事
どういった種類がある?
金銭の出資だけを行い持分を持たない「匿名組合型」と、実際に不動産の共有持分を持つことになる「任意組合型」の2種類が存在する。
メリット、デメリットは?
少額で不動産投資を行う事が可能で、物件の維持管理にかかる手間が少ない。リスク分散も行え、任意組合型の場合は相続税対策としても有効。ただし、利回りは自分で1棟ものの不動産を所有する場合と比べて低い。原則銀行融資は使えないためレバレッジ効果は得られない。
どんな人に向いている?
(匿名型)余裕資金のある若年層、(任意型)相続を考えるシニア層

【お問合せ先】
アイディ株式会社(担当:佐藤)

Mall:d.jks@idg.co.jp

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