ファンドとは?投資家として知っておきたい基礎知識まとめ

作成日:2020.3.19

インフレリスク

ファンドは投資家にとってはおなじみの金融商品の一つですが、聞いたことはあっても正しい定義や意味を知らないという方も少なくありません。今回は投資家として知っておきたいファンドの基本についてご紹介していきます。

ファンドとは何か?


ファンドには元来「基金」や「資金」といった意味がありますが、一般的には資産運用のための金融商品やそのような商品を運用する会社を表す言葉として使われています。ファンドには後述するように「私募」と「公募」がありますが、いずれも投資家から資金を集め、その資金をファンドマネージャーと呼ばれる投資のプロが運用する仕組みをもっています。

投資家は運用によりファンドの純資産の増加とともに基準価格が上昇して利益が生まれると、その利益の一部あるいは全部を分配金という形で受け取ることができます。(利益分が再投資されるタイプのファンドを除く)
その一方、運用会社はファンドの資産から信託報酬や売買委託手数料、監査費用などを徴収します。

公募ファンドと私募ファンドの違い


ファンドは大きく「公募ファンド」と「私募ファンド」の2種類に分かれており、以下のように特徴が大きく異なります。

公募ファンド

公募ファンドは金融機関の窓口やネット証券会社などを通じて購入でき、「不特定多数の投資家」から広く資金を募って運用します。S&P500株価指数やNYダウ、日経225など世界的にメジャーな株価指数に連動するインデックスファンドや、ソブリン(政府や政府機関が発行または保証を行っている債券の総称)を扱う債券ファンドなど資産規模が大きく、世界中の投資家からの資金が集まる商品が多数揃っています。

公募ファンドの多くは、REIT(不動産投資信託)などのクローズドエンドと呼ばれる解約ができないタイプのファンドを除き、基本的にいつでも解約ができるので高い流動性があります。また、購入時のファンド一口当たりの最低額が低いため、一般投資家向きの金融商品が多いのも特徴となっています。

ファンドは運用会社を管轄する金融当局や各種法律(日本国内なら金融庁や金融商品取引法など)によって情報開示や配当などについて規制を受けます。運用成果に関わらず、ファンドの純資産に対して一定の信託報酬がファンドの手数料として発生します。
公募ファンドの代表的な商品の種類は以下の通りです。

・投資信託(インデックスファンドやアクティブファンド)
・ETF(上場投資信託)
・REIT(不動産投資信託)
・MRF・MMF(公社債投資信託)
・インフラファンド

私募ファンド

私募ファンドは大口の適格機関投資家などを中心に「50人未満の少数の投資家」を募集対象とするファンドです。ファンドの一口当たりの最低投資額が高く、中には億単位というファンドもあります。ファンドの運用会社がケイマン諸島などオフショア金融センターと呼ばれるエリアに登録しているものも多いため、金融当局からの規制が緩く自由な投資プランやファンド・スキーム(ファンドがリターンを生み出す仕組みや運用形態)で運用されているファンドが多く見られます。

代表的な私募ファンドとして挙げられるのが、「ヘッジファンド」です。ヘッジファンドは、相場環境に関わらず絶対収益追求型でハイリスク・ハイリターン投資を行うことで知られています。手数料については、公募ファンド同様に購入手数料がある他、ファンドマネージャーの裁量によって生み出される運用益に対して「成功報酬」が発生するファンドもあります。ファンドの解約や運用状況などに関する情報開示については一定の制限がされているものが多く、まさにプロの投資家向け商品と言えるでしょう。私募ファンドには主に以下のような種類があります。

・ヘッジファンド(アクティビスト型ヘッジファンド含む)
・プライベート・エクイティ(PE)ファンド(未公開株ファンド)
・私募REIT(不動産私募ファンド)

ファンドのメリット・デメリット


ファンドの実際のメリットやデメリットについてはファンドの種類ごとに異なりますが、ここでは基本的なポイントについてお伝えしていきます。

ファンドのメリット

分散投資が可能

ファンドは通常、複数の銘柄や資産を投資対象としているため、ファンドに投資することで自動的に分散投資になります。この分散投資によって、特定の銘柄や資産が下がったり急落したとしても、ファンド全体の損失リスクが抑えられるというリスクの分散効果が得られます。中でも「ファンド・オブ・ファンズ」のように既に分散投資されている投資信託やETFをさらにいくつか組み合わせて一つのファンドとして運用しているものもあり、これらのファンドは非常にリスク分散効果が高いとされています。

プロの運用担当者に任せることで資産運用の成功確率が高まる

投資家自らが商品の銘柄選定や組み替え(リバランス)などを一切することなく、プロの運用担当者に資産運用を任せることができるので忙しい人でも気軽に資産運用ができます。実際の運用成績はファンドにより異なりますが、一般的にプロが経験やスキルを武器に運用に必要な判断をするため、資産運用の成功確率は高くなります。

投資対象や投資チャンスの拡大

ファンドの資産規模やスケールメリットを活かして個人では到底投資できないような投資先での運用も可能になるため、投資対象や投資チャンスが拡大します。相場の上昇や下落とは無関係に収益獲得を目指すヘッジファンドなどにも投資が可能になります。

インフレヘッジ効果が得られる

株や不動産を保有するファンドの場合、一般的にインフレに伴い株や不動産の値は上昇するため、インフレによる資産減少リスクを避けながらリターンが狙えるインフレヘッジ効果があります。

ファンドのデメリット

最低投資額や手数料が高い商品がある

主に私募ファンドでは最低投資額や手数料が高いものがあります。ヘッジファンドなどの場合、最低投資額が日本円で1,000万円から億単位のものまでありますし、成功報酬型の手数料の場合には運用益の20%や30%というものも珍しくありません。収益性に目を奪われることなく、冷静にコスト面も考慮するよう注意が必要です。
反対に公募ファンドの一つであるETF(上場投資信託)の場合、信託報酬率が0.03%という非常に低い手数料を設定している運用会社の商品もあります。

理解しづらいスキームの商品や情報開示が不透明な商品もある

特にヘッジファンドなどの私募ファンドに多いのが、商品の仕組みやスキームが一般投資家になじみにくいものがある点が挙げられます。また、金融上の規制が緩いオフショアエリアに籍があるヘッジファンドなどの場合、情報開示に消極的であるためにファンドのパフォーマンスやどのように日々運用されているのかが見えにくい商品もあります。

まとめ


今回はファンドについて最低限知っておきたい基本的な仕組みや特徴などをご紹介してきました。資産運用に興味があるものの、忙しくて中々自分では管理できないという方は分散投資効果の高い投資信託やETFなどのファンドが始めやすいかも知れません。今回はご紹介しませんでしたが、自動積立の投資信託などもありますので、大きなリスクを避けて投資を始めたい方は、余剰資金を活用し、少額投資から少しずつ投資経験を積んでみてはいかがでしょうか。

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