登場人物

Aさん

営業部 事務課

都内の建材メーカーに勤務。投資の事に興味を持ち始めたが、日々の仕事が忙しく、勉強の時間がなかなか取れないのが悩みの種。

Bさん

営業部 課長

都内の建材メーカーに勤務。2人の子どもを抱える働く父。まだまだかかる教育費と、どんどん迫ってくる夫婦の老後に不安を感じている。

Cさん

商品管理部 リーダー

都内の建材メーカーに勤務。新婚。野心家で投資など色々なことに挑戦したいと思っている。保守的な妻を説得するためにとことん勉強する性格。

午前中に大きな仕事を終えたAさんとBさん。他部署のCさんも誘って今日のランチは個室のある和食屋さんでゆっくりとることに。Aさんがおもむろにふるさと納税の話をはじめると・・・

あまり知られていない『ふるさと納税の理念』

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Aさん
この前同僚が「ふるさと納税でカニやステーキを注文してとてもお得だったんだ♪」って話してたんですが、ふるさと納税ってそんなにお得なものなんですかね?
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Bさん
僕も気になってたんだ。寄付なのに、『お得』というのがわからなくて…。
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Cさん
2人ともふるさと納税やってないんですか?
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Aさん
私よく分からなくてやってないんですよ。
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Bさん
僕もやろうやろうと思ってやってないんだ。
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Aさん
Cさん詳しいんですか?イチから教えてくださいよー!
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Cさん
いいですよ!
ふるさと納税っていうのは、簡単に言うと、自分が住んでいる市区町村以外の自治体に寄付をすると、その自治体からお礼の品が届く仕組みです。お礼の品は寄付金額の30%が上限とされているので、そのこと自体にはお得感はありません。お得というのは、このあとのことで、確定申告をすると所得税と住民税から寄付をした金額分の「寄付金控除」を受けることできるんです。
細かい計算はとりあえず省きますが、そうすると、何万円か寄付しても実質負担は2千円だけになって、なおかつ先ほどのお礼の品がもらえることからお得だと言われています。
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Aさん
へぇー。2千円だけの負担でカニやステーキが食べられるんだったら、確かにすごいお得感がありますね!
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Bさん
細かい計算は省くって言ったけど、そのカニやステーキでちょっと具体的な金額で教えてもらいたいな。
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Cさん
分かりました。
例えば、3万円の寄付で9,000円相当のカニと2万円の寄付で6,000円相当のステーキをお礼の品で受け取ったとしましょう。
その場合、寄付をした合計額5万円のうち、48,000円は本来支払うべき所得税と住民税から還付が受けられます。つまり、実質2,000円の負担となり、さらに15,000円相当(9,000円分と6,000円分)の品物を受取ることができるのです。
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Aさん
すごッ!!本当にお得なんですね!
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Bさん
なるほど。それはお得だね!
でも、それってなんかお得すぎない?その分誰かが損してるってことはないのかな?
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Cさん
すみません、今は「お得」かどうかの観点でお話ししてしまったので何かよく分からない話になってしまいましたが、そもそもこれは制度なので、損得ではないんですよ。
では、寄付をしたお金がその後どうなるのか見てみましょう。
まず、寄付を受けた自治体は、寄付金の30%相当を使って地元の業者から寄付してくれた人に送るので、自治体は残りの70%を寄付金として受取ることができます。地元の業者は商品を売ることができると同時に宣伝にもなりますね。寄付したお金はきちんと役立ってるんです。
ただ、あえて損得の話をすれば、寄付した人が住む自治体は、本来得られるはずの所得税と住民税が控除されてしまうので、見込んでた税収が下がってしまいます。
結果、寄付した人が得した分を居住地の自治体と国が負担することになります。
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Bさん
なるほど。国や居住地の自治体の税収で負担するってことは、たとえば僕の住んでいる地域でみんながふるさと納税をしたとしたら、自治体の税収が減って、この先、居住地の住民税が増税されるなんてことあるのかな?
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Cさん
その可能性もあるかもしれませんが、そもそもふるさと納税は「地方創生」を目的として制度化されたものですからね。
多くの人が地方から都会に出て就業・納税している現状、税制を通じて故郷や地方に貢献する仕組みなんですよ。
ほら、これを見てください。総務省のHPでふるさと納税の理念を紹介していますよ。
                           (総務省ふるさと納税ポータルサイトより)
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Bさん
ふるさと納税の理念として地方を応援する、ということなんだね。
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Aさん
私たちの寄付金で、地方を応援できるなら積極的に利用した方がいいですよね!
その地方の農産物や産業に関わるお礼の品がもらえるのも、その地域を知るためってことですね。
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Cさん
ふるさと納税は、地方を支えるクラウドファンディング(※インターネットを通じて不特定多数の人から資金を集める方法)みたいなものなんですよ。
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Aさん
カニやステーキをもらって、クラウドファンディングってイメージがわかないなぁ…

ふるさと納税でお得にクラウドファンディング?

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Cさん
ふるさと納税では、ただ寄付をしてお礼の品をもらうだけでなく、寄付の手続きをする際に寄付金をその自治体にどのような活動に利用してほしいか選択できる場合があるんです。例えば、その自治体の産業の活性化、文化の維持や伝承活動、教育とか。
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Bさん
えっ、寄付金の使い道を、僕たちが自治体に指定できるの?
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Cさん
そうなんです。もし使い道が決められない場合でも、「市長に一任」という項目があります。
さらにもっと直接的に、自治体が企画する具体的なプロジェクトを指定してふるさと納税で寄付する方法もありますよ。
例えば、大手ふるさと納税サイト『ふるなび』でも日本最東端JR根室本線花咲線の維持確保を図るプロジェクトなど具体的なプロジェクト支援を「ふるなびクラウドファンディング」で取り扱っています。『ふるさとチョイス』でも、子育て支援や動物愛護、産業や芸術文化支援などさまざまな分野での自治体の課題を具体的にプロジェクト化して、より具体的な寄付による支援ができる「ガバメントクラウドファンディング」があるんですよ。
(※1)お礼の品の有無、内容は自治体によって異なります。    (ふるさとチョイスHPより)
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Aさん
えー!動物愛護もあるんですか?
私、ペットの殺処分を無くしたいです!!
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Cさん
さまざまな自治体が、ペットの殺処分ゼロや避妊手術などへの支援プロジェクトをふるさと納税サイトで立ち上げ取り組んでいますよ。
                                        (ふるなびHPより)
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Cさん
ただ、ふるさと納税でのクラウドファンディングがまだあまり知られていないせいか、目標額にはなかなか達成しないみたいで、もっと皆さんに知ってもらう必要がありますよね。
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Bさん
こういうプロジェクトの場合はお礼の品はどういうものになるの?
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Cさん
プロジェクトによって、さまざまですね。お礼の品が無いプロジェクトもありますが、プロジェクトに関わる品を返礼品にしているものもありますよ。また、直接プロジェクトとは関係ないものの、その自治体の特産品を返礼品にして選択できる場合もあります。
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Aさん
本来は地方を支援するための寄付なんだから、お礼の品が無くても支援したい気持ちが大切なんですね。返礼品ありきではなく、自分が支援したいプロジェクトに寄付をして、それが寄付金控除で税金が還付されるだけでもありがたい制度ですよね。
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Cさん
そうですね。私もそう思います。
災害の後には、災害のあった自治体で「令和2年台風10号被災緊急支援寄付」のような具体的な災害支援が立ち上げられ、それに寄付することもできます。
特に今はコロナ禍の影響で飲食店での需要が激減したことで行き場を失くした農林水産・畜産物を特別にキャンペーンという形で支援するものもあります。
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Aさん
ふるさと納税で災害支援もできるんですね!
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Bさん
コロナ禍で困っている事業者を、自分たちが支援できるのもいいね。

他にもある!ふるさと納税を楽しもう

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Cさん
ふるさと納税では、パラグライダーやバードウォッチング、陶芸などその自治体に行って体験できる「体験型」を通して地方の情報発信に力を入れているものもあります。
面白いものでは、人間ドックやスキューバダイビングのライセンス取得、故郷のお墓参り代行サービスなどの返礼品を扱う『ふるり』があります。
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Bさん
体験型もいいね!家族で楽しめそうだ。
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Aさん
私も食材をもらっても調理できないから、体験型は向いてるかも。
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Cさん
食に関わるものなら、『ふるなびグルメポイント』を利用するのもいいですよ。『ふるなび』でグルメポイントに提携する自治体に寄付をしてグルメポイントをゲットし、グルメポイントを利用してレストランで食事ができるんです。
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Aさん
わ~!それ私にピッタリ!
あ、でも、さっきふるさと納税って確定申告が必要って言ってましたよね…。やったことないんですけど。
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Cさん
あ、確定申告の件ですが、
・確定申告の不要な給与所得者等であること
・1年間の寄付先が5自治体以内

という条件が揃えば、「ワンストップ特例制度」を利用すれば確定申告しなくても寄付金控除が受けられます。この場合は、所得税の控除はなく、住民税からのみ控除となります。
ちなみに控除される額は変わらないので、安心してください。
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Aさん
へぇー。それなら私でもできそうです!!
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Bさん
今まで興味はあってもなかなか踏み出せなかったけど、なんかやってみたくなったよ!
それにしても、何でそんな詳しいの?ふるさと納税の先生みたいだね。
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Cさん
実は、自分が始めるとき、妻によく分からないからやめてと反対されまして(苦笑)
納得させるために猛勉強したんですよ。
私は毎年やってますがとても良い制度だと思いますので、是非お2人も、まずはふるさと納税のサイトをいくつか見てみて、ご自身がやってみたいと思うものを探してみてください。
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Cさん
最後に注意点を1つ。
ふるさと納税でお得なのは税金の控除なので、課税所得額に応じて限度額があります。ご自身の収入や扶養控除・生命保険控除・住宅ローン控除など他の控除額によって、ふるさと納税で控除可能な限度額は変わってくるので注意してくださいね。
限度額はふるさと納税サイトでシミュレーションできますよ。
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Aさん・Bさん
さっそくやってみます!