不動産投資をする人にとって、どのような物件を投資対象とするかは、その後の結果を左右する大きなカギとなります。
例えば、マンションにするかアパートにするか、区分にするか1棟にするか、単身者向けかファミリータイプか、新築物件か中古物件か、それとも戸建てや土地の運用にするのか。
このようなテーマについては、インターネットサイトや各種記事にそれぞれのメリット・デメリットが挙げられていますが、ここでは投資対象を区分マンション(ワンルーム/ファミリータイプ)戸建てとした場合の、それぞれの特徴についてその入口から出口までポイントを絞ってご紹介します。

区分マンション/ワンルームタイプ

一般的には区分所有のワンルームマンションは初期費用が少なく、管理の手間も少なく、万が一失敗しても1棟アパートや1棟マンション投資と比べると損失が小さくて済むことから、不動産投資の入口・入門編として捉えられる事が多いです。
始めやすいということもあり、皆様の中には会社に営業電話がかかってきたり、駅近くで声をかけられたという経験をされている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

◆物件選定難易度
ワンルームマンションは市場に出回っている物件量が圧倒的に多く、比較的簡単に物件を選択し入手することができます。

◆初期費用
新築の場合はフルローンを利用できるものもあり、初期費用は比較的少額で済みます。

◆利回り
都心、駅近、人気エリアは物件価格が高く、その分利回りは低くなります。ただ、人気エリアなら築40年でも高水準の賃料が得られるケースもありますので、購入時の利回りだけを単純に見るのではなく、その利回りがどの程度維持できるのかを長期的な目線で検討することが重要です。

◆集客・空室リスク
エリア選択を誤らなければ需要は多く、集客しやすいのがワンルームマンションです。ただしその反面、競合する物件が多かったり、想定する入居者層である単身者、学生の平均的な居住年数は2年~4年程度(※)と短いため、必ずしも空室リスクが小さいとは限りません。

◆管理の難易度・経費負担
ワンルームマンション投資の場合、賃料の5%程度の手数料で不動産管理会社に管理を任せる場合が多く、手間を掛けずに投資をすることが可能です。
また基本的に単身者が利用するので自宅で過ごす時間が短く設備もシンプルなので、退去時の修繕や原状回復費用の心配も少ないでしょう。

◆出口戦略
ワンルームマンションは初心者でも投資しやすいことから購入希望者も多く、売却しやすいのが大きなメリットです。人気エリアで条件が良ければ、キャピタルゲインも期待できます。ただし、出口も同様に競合物件が多くあるので、売却のタイミングなどには注意が必要です。

◆その他ポイント
近年、高齢単身者が築古物件に長期間居住するケースが増えてきています。日常管理の負担や空室リスクは低いものの、孤独死など単身高齢者ならではの問題が急増しています。
高齢者の賃貸ニーズは今後も増えてきますので、入居を避けるのではなく、生活背景を把握しておくなど対策を打つことが重要となります。

区分マンション/ファミリータイプ

ファミリータイプの区分マンションを最初から投資用に持つという人は少数派で、転勤などで空いた自宅を賃貸にするケースが多いです。そのため、一般市場に投資用として出回る物件はあまり多くありません。

◆物件選定難易度
ファミリータイプの場合、子供の有無や共働きかどうかなど家族状況によって室内設備の使い方が大きく異なるので、ワンルームマンションと比べてニーズは複雑となります。そして、選定難易度ですが、一般的に料理をする頻度が多いファミリータイプの場合、専有部分においても定期的な清掃を行っていなければ、築年数が浅くても配管部分が傷みやすくなるので、ワンルームに比べ難易度が高くなります。
このタイプの物件は、駅近に限られず学区や日常の買い物の利便性も重視されるポイントです。

◆初期費用
物件価格が高い分、頭金や登記費用なども大きくなります。

◆利回り
ワンルームと比較して、面積が3倍だからといって賃料が3倍になるわけではなく利回りは低くなります。また、管理費・修繕積立金が途中から大きく値上がりするケースもあり、そうなると当初の利回りを大きく割り込む可能性が出てくるため注意が必要です。ただファミリータイプはたいてい居住年数が長いので、入居者が決まると安定した家賃収入が得られます。
また、物件によってはリノベーションによる価値向上も見込めるため、上級者であればキャピタルゲインを狙って短期で売却をするケースもあります。

◆集客・空室リスク
ファミリータイプの平均居住年数は4~6年程度(※)であり、前述したとおり、一度入居が決まれば安定した賃料収入となりますが、その分流動性が低く、前の入居者が退去した後長期間空いてしまうリスクがあります。

◆管理の難易度・経費負担
居住年数が長いので、修繕費用が高くつきます。家族が家で過ごす時間が長いので、室内や設備の劣化が目立ちます。

◆出口戦略
ワンルーム投資に比べてファミリータイプでの投資需要は低いですが、入居者の退去後に、投資用ではなく実需用の一般中古物件としての売却も可能です。こうすることで、違った角度から売却を検討することができます。

◆その他ポイント
今後日本では単身者の増加が見込まれ、ファミリータイプの需要は全体としては減っていくことが予想されるため、ファミリーに人気のエリアを見極めることが重要です。
また、投資対象として見ると同時に最終的には自分が住んでも良いと思える物件を選択するのも一つの手でしょう。

戸建て

戸建て投資の場合、郊外や地方で車移動が前提となる中古物件への投資が多く、駐車場付き物件が選ばれることがほとんどです。最近では、築30年超えの古家をリフォームして賃貸する古家投資も注目されています。

◆物件選定難易度
戸建ての場合、給排管や基礎部分など劣化の進み具合が判断しにくい部分が多く、素人が選定するのは容易ではありません。DIYが得意、簡単なリフォームなら自分でできる人などが安く仕入れて安く仕上げる例をよく耳にします。

◆初期費用
築古戸建てはフルローンが難しいうえに、たいていリフォームしてから貸し出すので、相応の自己資金を準備しておく必要があります。木造住宅は火災保険も割高です。
前述したとおり、この費用を安く済ませるために自らリフォームをして費用を抑えるケースがあります。

◆利回り
マンションと違い、一定の管理費・修繕積立金が不要なので、その分高い利回りが期待できます。複数のペットや、2台駐車など入居者に魅力的な物件は、相場より高めの家賃設定も可能でしょう。

◆集客・空室リスク
需要はそれほど多くないものの子育て世帯や庭や駐車場付きにこだわって戸建て賃貸を探す人がいるため、一定の集客は見込めます。需要に比べて供給が少ない分野です。

◆管理の難易度・経費負担
きちんとリフォームしたものであればしばらくの期間、修繕の必要はありませんが、ある程度年数がたてば経年劣化が進むので自分で修繕費を積立して準備しておくことや、災害時には戸建ては損傷しやすいので急な出費への備えが必要です。

◆出口戦略
投資物件としてだけでなく、一般の中古戸建てとしての需要が高く比較的売却しやすいでしょう。築20年超えの物件は、建物の価値としてはほぼ0に近くなりますが、地価の上昇があれば購入時より高値での売却も見込めます。
また、建物を取り壊して別の運用方法に切り替えることも可能で、さまざまな出口戦略が考えられます。

◆その他ポイント
中古戸建てはマンションより修繕リスクが高いので、物件選定時にしっかり確認しましょう。
コロナの感染対策で戸建てが注目されつつある今、入口に手洗いや除菌ゾーンを設ける、在宅ワーク用のスペースを設けるなどしてアピールすれば、高めの家賃設定も可能になるでしょう。

まとめ

不動産投資では利回りが重視されることが多いですが、購入時である入口から出口までトータルでしっかり利益が出なければ成功とは言えません。運用途中にかかってくる修繕費用についても、ある程度想定しておくべきでしょう。
物件選定時にある程度出口まで見越したプランを立てておかないと、途中で管理費や修繕費用がかさみ、期待した利回りを大きく下回ってしまうこともありえます。
ぜひ、失敗しない不動産投資をするための参考としてみてください。

※)参照元:日本賃貸住宅管理協会による『日管協短観』https://www.jpm.jp/marketdata/