どうする!?人生100年時代

最近、仕事仲間が投資を始めたことで投資に興味を持ち始めた20代女性のAさんと、老後の準備に重い腰がなかなか上がらないアラフィフ男性のBさん。先生は2人に人生100年時代に大切なことを話し始めました。2人が改めて知った現実とは・・・

登場人物

Aさん

都内のシステム開発会社に勤務。投資の事に興味を持ち始めたが、日々の仕事が忙しく、勉強の時間がなかなか取れないのが悩みの種。

Bさん

都内の食品メーカーに勤務。2人の子どもを抱える働く父。まだまだかかる教育費と、どんどん迫ってくる夫婦の老後に不安を感じている。

先生

アイディ株式会社に勤務するセミナー講師。お金の事を学んでいくうちに資産運用の必要性を実感。より多くの人に資産運用を始めて欲しいと思っている。

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Aさん
最近、「人生100年時代!自分が生きるのに必要なお金は自分でつくる時代だ」なんてよく言われますが、Bさんはもう老後資金の準備は始めてますか?
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Bさん
いいや・・・うちにはまだ学生の子供が二人いるんだけど、
下の子は来年大学受験だし、まだまだ教育費がかかるからたいして貯金もできてないよ。
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Aさん
そっか、大変ですね。でも、Bさんは退職金も年金も、まだもらえる世代ですよね。私なんてたぶんもらえない…。
銀行にボーナスを預けてももらえる金利なんて5円とかだし、これって少なすぎですよね!?
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Bさん
マイナス金利、超低金利が続いているからね~。「老後の生活資金が年金だけでは2千万円不足する」なんてニュースもあったけど、2千万円を貯金だけで貯めるなんて夢のまた夢だね。
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Aさん
この際、宝くじで一攫千金を狙うしかないか…!
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先生
Aさん、そんな投げやりなこと言っててどうするんですか!
1等5億円が当たる確率はたった1000万分の1で、雷に打たれる確率と同じくらいだと言われているんですよ。4等の1万円ですら3万分の1と言われています。
そんな確実性の低いものに自分の老後を預けてしまって大丈夫ですか??
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Aさん
うーん、そう言われると正直不安です・・・。
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Bさん
でも、そうは言っても、今は給料もなかなか増えないし、その割に税金や社会保険料はどんどん上がるし・・・手取り額は減る一方で、僕のお小遣いだってどんどん少なくなってるんです(涙)。
これからどうやって老後資金を貯めればいいんですか?一生働き続けるしかないんですかねぇ?
Aさんが宝くじに頼りたくなる気持ちもわからなくはないですよ・・・。
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先生
少し、今の状況を整理してみましょう。
2019年の厚生労働省発表によれば、2018年の男性の平均寿命は81.25歳、女性は87.32歳。
それに対して2016年に発表されている健康寿命は男性72.14歳、女性74.79歳。
平均寿命と健康寿命の差は男性で約9年、女性で約12年あると言われています。
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Bさん
健康寿命って「健康上の問題がなく日常生活を送れる期間」の事ですよね。定年してからもその期間は働くとして、働けなくなってから平均寿命を全うするまでは10年程度、女性はそれ以上を年金だけで生活することになるんですね。
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Aさん
ええ~!!私、75歳まで働く事を求められているんですか!?
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Bさん
年金もどんどん減ってきてるから、僕らの世代でも年金だけでは生活できないって仲間内で溜息をついているよ…Aさんの世代だと、もっと厳しくなっているんじゃない?
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Aさん
はぁ~、なんか悲しくなってきました。
そもそも私の世代は、年金ってちゃんともらえるんですか!?

どうなる!?日本の年金制度

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先生
いろいろなところで年金破綻説がささやかれていて心配になりますよね。でも、確約はできませんが、年金はもらえるはずですよ。
政府が発表する年金財政の検証結果によると、今後年金は、マクロ経済スライド(※1)で概ね100年かけて所得代替率を下げ、年金制度の継続を維持しようとしています。
そして定期的に検証を続け、所得代替率(※2)が50%を下回ると見込まれる場合には、給付水準調整や給付及び負担の在り方について検討し措置を講ずることになっています。
用語の解説

※1 マクロ経済スライド:年金加入者の減少や平均寿命、経済状況を考慮して、年金の給付金額を調整する制度
※2 所得代替率:現役世代の平均的なボーナス込みの手取りに対する年金額の割合

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Aさん
すみません、全然わかりません…。
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先生
つまり、年金制度は継続させる。そのために給付額はある程度減らしていき、最終的には現役世代の平均手取り所得の50%以上の年金額を支給し続けようとしているんです。
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Bさん
ということは、年金はもらえるけど、もらえる額は今より減っていくということですね?
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Aさん
私がもらう頃には半分なんだ…。
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先生
それが、時代によってお金の価値は変わるため、単純に現在の貨幣価値だけで判断もできないんです。
例えば、インフレの時には物の値段も上がるし平均給与も上がりますよね。デフレはその逆になります。
その時々の現役世代の平均手取り所得の50%以上の水準を維持しようというわけです。
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Aさん
なるほど~。給与水準が上がれば年金も上がるのか…。
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Bさん
ただし、その時は物価も上がってるということなんですね。
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先生
そうです。とにかくそうやって調整しながら年金制度は継続させる方向で国は動いているから、年金がもらえなくなることはないというのが理論上言えることです。
ただし、現役時代が余裕を持って年金受給世代を支えていた今までと違い、少子高齢化、長寿国となり、需要と供給バランスが崩れた今、年金だけで生活できる時代ではなくなるというのも確かなことです。
人生100年と言われ、長生きをすればするほどお金は使いますから、貯金だってこれまでより多く必要になるでしょう。
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Bさん
それで「自分が生きるお金は自分でつくる時代」と言われるんですね!
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Aさん
もはや私の老後、不安しかないんですけど…(涙)

老後は何が不安なのか?

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先生
今のままだと漠然と不安を抱えてしまいますよね。不安を解消するには、まずは現状をはっきりと把握することが必要です。そこで、老後のお金について具体的に例を見てみましょう。
   
これは、総務省の家計調査報告(2019年)の結果です。
総務省の家計調査報告(2019年)



出典:総務省 家計調査報告(家計収支編)2019年(令和元年)平均結果の概要(PDF:783KB)(2020年3月17日掲載分より)

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Bさん
図1の高齢夫婦二人の場合、毎月約3.3万円の不足分(赤字)があるんですね。
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Aさん
私が結婚しないままだったら、図2の単身無職世帯に該当するんですかね。この場合、毎月約2.7万円の赤字になっていますね。
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先生
『結婚しないまま』だけじゃなく、結婚したとしても離婚や死別で単身世帯になることもありますよ。
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Bさん
あ、そうか!
平均寿命は女性の方が長いから、独り残された後のことも考えておかないといけないんですね。
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先生
グラフはあくまでも『平均値』ですから、年金の受給金額が平均より低い人もいますし、女性で専業主婦の期間が長かった場合は夫が亡くなった後は世帯収入が大きく減ってしまうことも考えておかなければなりません。
それに、国民年金だけの世帯は、サラリーマン世帯のような厚生年金がありませんから、受給額はもっと低くなります。
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Aさん
そんな~(涙)
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さらに、生命保険文化センターの調査によると、ゆとりある暮らしを求める場合、その上乗せ必要額の平均は約14万円という結果が出ています。
(※令和元年度 生活保障に関する調査より)
仮に、年金だけで生活した場合のシミュレーションをしてみましょう。
定年後30年前後を年金だけで生活する場合のシミュレーション

・平均的な年金収入のみの高齢者世帯の家計の場合    
  不足額3.3万円 × 12カ月 × 30年※ = 1,188万円不足
・ゆとりある生活を求める場合    
  不足額14万円  × 12カ月 × 30年※ = 5,040万円不足

※65歳以降、95歳まで生存すると仮定

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Aさん
ええ!!こんなに足りないんですか!!
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Bさん
ああ、頭が痛い・・・。
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先生
ちょっとショックが大きかったですかね…ただ、あくまでこれは平均的な数値ですし、年数も30年と仮定して計算しています。
実際には年金の金額や退職金の有無、その人の求める生活水準などに個人差があるので一概には言えないのですが、具体的に見てみようとすると、このような計算が出来るということです。いずれにしてももはや年金だけで老後の生活ができる時代ではないことは認識してもらえたのではないでしょうか?
将来の不安や現実ときちんと向き合うことはとても大切です。実際に自分に当てはめて、老後の生活にどの程度お金が不足するのか、ある程度予測しておくと、どのような準備が必要かを考えることができます。
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Bさん
僕、退職金がいくらもらえるか、会社で調べてみよう!
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Aさん
年金がいくらもらえるかって、わかるんですか?
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先生
年金は、毎年誕生月に日本年金機構から「ねんきん定期便」というハガキが送られてきます。写真のはがきに見覚えがありませんか?
そこには直近1年間の情報が載っており、50歳以上の人には年金の見込額もわかるようになっています。
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Aさん
私みたいに年金の年齢まであと40年もあって、まだこれから仕事や収入がどうなるかわからない場合は、年金の見込額をどう予測すれば良いんですか?
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先生
50歳未満の人には、これまでの加入実績に応じた年金額が載っています。若い人も、今のままの生活を続けたらどうなるかという目安として確認しておきましょう。
そのうえで、具体的に予測できる不足額を算出し、いくらぐらいの資産を自分で作らなければならないかをシミュレーションしてみることが大切ですね。
せっかくなので、人生100年で計算してみましょう。
老後の不足額の簡易シミュレーション

(毎月の年金見込額 - 毎月の支出額の目安) × 12カ月 × 35年※ 
 = 合計不足額


 ※65歳以降の生活を35年、100歳まで生きると仮定した場合  

 合計不足額 - 退職金額 = 自助努力で作らなければならない資産★  

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先生
★の自助努力で作らなければならない資産を、今ある資産と今後得られる所得から作り出さなければ、老後の生活資金が不足する、ということです。
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Bさん
僕にはもうあまり時間が残ってないですよ…。
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Aさん
私だって、時間はあっても貯金だけで数千万円も貯められるかどうか…。
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先生
そのために、政府はいろいろな施策を打ち出しています。
ここまで不安を感じさせてしまう内容でしたが、次回は豊かな老後を送るための具体的な対策、特に政府の施策について見ていきましょう。
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Bさん
年金だけに頼らずに、自分たちでも出来る対策を知りたいです!
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Aさん
次回もよろしくお願いします!