不動産投資において利回りは、運用中の収益アップのためだけでなく、売却時の販売価格の決定にも影響します。そのため、利回りの維持・向上は不動産投資で成功するための最も大きなポイントの一つと言えるでしょう。
ここでは、所有物件の利回りをアップするための方法を解説します。

収入を上げる方法

不動産の賃貸経営は、年数の経過とともに利回りが低下するのが一般的です。築年数が古くなればなるほど家賃は下がっていく一方、反対に修繕の費用が増えたり、マンションの場合は管理費・修繕積立金が上がっていくためです。
利回りの低下を防ぐには、家賃を下げない、あるいは上げる事が必要です。しかし、古い物件と築浅物件が同じ立地で同じ家賃なら、たいていの人は築浅を選ぶでしょう。古い物件は外観も内面も古く傷んでいる、設備も古くて使い勝手が悪い…そういった先入観を持っているためです。築古物件の家賃を上げるためには、そのような先入観を払拭しなければなりません。その解決策となるのが、リフォームやリノベーションです。
ここでは、リフォームやリノベーションの他、収入を上げるための施策として考えられる手法をいくつかご紹介します。

リフォーム

古くなって汚れたり傷んだ部分を修繕したり取り替える事で新築のような状態に戻します。例えば、クロスや床材を張り替えてキレイにする、お風呂やトイレを新しいものに取り替えるなどの施工が該当します。
見た目が新しくキレイなお部屋、水回りが新品で清潔な物件は入居者が付きやすく、空室リスクを抑えられます。古く傷んでいたときに比べて数千円高く家賃を設定することもできるでしょう。

リノベーション

流行りのライフスタイルに合わせたり、最新の設備を導入したりすることで、物件に新たな価値を持たせる改修を行います。例えば、手狭な3LDKであった間取りを、リビング広めの2LDKにしたり、2人暮らしに合った1LDKに変更する、リビングと洋室の仕切りをウォールドアに変える、キッチンを使い勝手の良い対面式にする、断熱工事などで機能性を向上させるなど、想定する入居者のライフスタイルや住居に対するニーズに合った状態に改修することで物件の価値を高めます。

入居者ニーズに合った設備にグレードアップ


シャワートイレや浴室乾燥、ファミリータイプなら食器洗浄乾燥機など、設備面の設置有無やグレードは入居希望者が物件を選ぶ際の条件となってきます。特に、物件のターゲット層とする人々のニーズに合った設備が揃っているか否かは、その条件に大きく影響します。
例えば、家電や家具付きとしておくと、身軽に転居したい単身者には魅力的です。最近はIoT家電も注目されていますので、物件の注目度も上がるでしょう。
一方、一棟物件であれば、宅配ボックス、防犯カメラ設置など防犯や利便性向上のための設備は、今や人気物件には必須条件といえるかもしれません。

コンセプトによる差別化

物件にコンセプトを表現する要素を持たせれば、それに共感する入居希望者の目に留まりやすくなりなすので、同じエリアでの競合物件との差別化となり、多少高めの家賃設定でも選ばれる可能性が高まります。
一棟物件なら外観にデザイン性を持たせることもできますし、ワンルームマンションであれば、居室内の1辺側のクロスだけ色や柄を取り入れて遊び心を取り入れるのも1つのアイデアです。
その他、ペットと暮らしやすい物件、子供を見守りやすい間取り、バリアフリー設計、エコを意識した素材、リゾートイメージの部屋など、アイディは無限に広げることができるので、どういう人に住んでもらいたいかを考えながらコンセプトを決めると良いでしょう。

リフォームやリノベーションを行う際の注意点

リフォームやリノベーションはうまく行えば効果的ですが、実施するには多くの費用がかかるため、費用対効果を考える事が非常に重要です。


例えば、1DKの床とクロスを一新する20万円のリフォームで月6.1万円の家賃を6.9万円に上げれば、実質的には単純に2年1カ月で回収が可能です。さらに客付けが早まり空室期間が短縮できれば、その分もプラスになります。
築40年でなかなか入居者が決まらず空室期間が長い物件でも、内装を一新することで入居者が早く決まった場合、0円だった家賃収入がその後しっかりプラスになるのです。
ただし、築古物件の家賃を2~3千円上げるために100万円もかけてリノベーションするのは、コストパフォーマンスに問題があります。リフォームやリノベーションを検討する場合には、改修の必要性と費用対効果を十分考慮して、その規模や箇所を検討しましょう。

賃料以外の収益を上げる

所有物件が一棟アパートの場合なら、下記のように入居者の賃料以外にも収益を上げられる方法があります。

駐車場・駐輪場スペースの活用(月極、時間貸し、カーシェア・シェアリング自転車のスペース貸し)
自動販売機の設置
看板広告
移動販売へのスペース貸し
携帯基地局アンテナの設置

など

ただし、立地条件によって向き不向きがあったり、貸出しや設置により物件のイメージを損なう場合もあり結果的にマイナスになることもあるので、これらの導入には物件ごとの状況に応じてメリット・デメリットについて事前にしっかり検討することが大切です。

入居者募集時の媒体を変えて空室期間を短縮する

入居者募集の際、多くは賃貸仲介業者に依頼します。賃貸の客付けでは、立地や間取り、家賃など条件の他に、賃貸仲介業者がどのような募集の仕方をしているかなど、賃貸仲介業者の客付けスキルによる影響も大きいため、依頼先の業者をよく見極めることが重要です。
最近では室内写真をパノラマ画像や3D動画付きで募集する業者もありますし、室内にちょっとした家具や雑貨を置いたホームステージングで物件の魅力を最大限にアピールする方法を取り入れる業者もあります。
客付けまでの期間が短いと空室期間が短くなり、その分家賃収入が増えます。つまり実質的な利回りが上げられるというわけです。

支出を下げる方法

利息支払いを減らす

ローンを利用している場合、借り換えで金利の低い金融機関に変更したり、借入期間を長くすることで利払いを下げられる場合があります。ただ、繰上返済や新たな借り入れにかかる手数料・登記費用など支出もあるため、借り換えする際にはその費用対効果の確認が必要です。
また、手元に余裕資金があるなら、一部繰上返済により利払いを下げることも可能です。

管理費を下げる

所有物件の管理にかかる費用は大きな支出なので、これを見直すのも一つの手です。

火災保険の見直し
投資用物件にかける火災保険も、時々見直しをするべきです。保険の範囲を見直して本当に必要な保障に絞ったり、複数の保険会社から提案を受けることで、保険料を低く抑える事が出来る可能性があります。

管理会社との契約内容の見直し・管理会社の変更
管理・清掃などの方法や回数を工夫することで、委託管理費を節約できます。場合によっては管理会社を見直すことで管理費の削減が可能となります。

管理組合に積極的に参加する

ワンルームマンション投資のような区分所有の場合でも、管理費の使い方やマンションの管理について管理組合に積極的に提案することも不可能ではありません。収入を上げる項目に記載した自動販売機や携帯基地局アンテナの設置なども、管理組合に提案して導入を検討してみるのも良いでしょう。
管理組合としての収入が上がれば、その分管理組合の資金に余裕ができるため相対的に管理費を抑えることが可能となり、結果的に将来における管理費の上昇を抑えることが期待できます。
また、その他火災保険など管理組合の必要経費の見直し提案をしてみるのも良いでしょう。

まとめ


今回ご紹介したような方法をいくつか取り入れ、収入を増やし支出を削減することで、投資利回りを上げることができます。
ただし、たとえリノベーションをしたとしても家賃を倍増できるわけではありませんし、家賃をアップさせるためには、入居者のニーズを的確につかむことが大切です。
費用対効果をよく検討して、所有物件を人気物件にする努力をするとともに、物件の価値を下げずにできる支出の節約によって、所有物件の利回りアップを目指しましょう。