投資商品には、キャピタルゲイン(売買によって得られる利益)を狙えるものやインカムゲイン(保有中に得られる利益)を狙えるもの、その両方を狙えるものもありますが、常に狙い通りに利益を得られるとは限りません。そんな中で注目されているのが、節税効果が狙える商品です。
ここでは具体的な商品ごとに、どのような節税効果を得られるのかをご紹介します。

NISA(少額投資非課税制度)

投資の利益が非課税

一般的に、株式や投資信託などの売買で得た利益や受け取った配当に対しては約20%の税金がかかります。しかし、『NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)』を利用すれば、決められた範囲内で購入した金融商品から得られるこれらの利益が、非課税となります。
NISAは3種類あり、それぞれ非課税上限額や非課税となる期間が異なります。

「NISA(一般NISA)」:上限額毎年120万円、非課税期間5年(2023年開始分まで)
「ジュニアNISA」:上限額毎年80万円、非課税期間5年(2023年開始分まで)
「つみたてNISA」:上限額毎年40万円、非課税期間20年(2037年開始分まで)

例えば、NISA(一般NISA)を利用すれば毎年120万円×5年間で最大600万円分の投資による利益が非課税になるというわけです。
また、NISA・ジュニアNISAについては非課税期間が5年間となっていますが、運用状況が好調でもう少し保有していたいという場合などは、ロールオーバーと呼ばれる手続きを取る事でさらに5年間、最大10年間まで非課税期間を延長することも可能です。

iDeCo(個人型確定拠出年金)

掛金(拠出金)と運用益が非課税

iDeCoは積み立てられる掛金の上限が職業などによって定められています。
積立期間は60歳までとなりますが、掛金の全額が所得控除の対象となります。
また、運用中の利益も非課税なので、運用期間が長いほど複利効果も大きくなります。

受取時の節税効果

iDeCoは、60歳以降に受取り方が選択でき、年金か一時金で受取ることとなります。年金受取りは「公的年金控除」、一時金受取りは「退職所得控除」が適用されます。年金受取りの場合は公的年金と合算して60万円まで(65歳以上は110万円まで)非課税となり、一時金受取りの場合は他の退職所得と合算して下記の計算式で求められる控除額までが非課税となります。

勤続(加入期間)20年以下 ・・・ 40万円×勤続年数(※80万円に満たない場合は80万円)
勤続(加入期間)20年超  ・・・ 800万円+70万円×(勤続年数-20年)

一般的な投資信託などに積立てて運用する場合は、利益となる部分すべてに約20%の税金がかかりますが、非課税枠が利用できるiDeCoなら受取り時まで節税効果が期待できます。

保険商品

保険料(掛金)で節税

任意で加入する各種保険も、その年に払い込んだ保険料(掛金)が所得控除算入できます。
契約日が平成23年12月31日以前の契約では従来の制度(旧制度)が適用され、「一般生命保険料控除」と「個人年金保険料控除」に区別されます。
それぞれ所得税5万円、住民税3.5万円を上限に、その年の1月~12月に払い込んだ保険料が所得控除の対象となります。平成24年1月1日以降の新契約または契約変更により該当するものは改正後の制度の対象となり、前述のものに介護医療保険料控除を加えた3種に区別され、それぞれ所得税4万円・住民税2.8万円を上限に控除対象とすることができます。

ちなみに、保険料の支払い方には「月払い」、「半年払い」、「年払い」、「一時払い」があり、年の途中契約の場合、控除対象となるのは実際に支払った額となるため、支払い方によって控除算入できる額が異なります。また、「一時払い」は支払ったその年のみ控除対象となりますので注意しましょう。

保険金受取時の節税効果

保険商品には、終身保険、養老保険、個人年金保険など貯蓄性が期待できる商品があり、それらは、保険の契約者本人が自分で満期保険金や解約返戻金を受け取る場合、一時所得の扱いとなり所得税の課税対象となります。
課税される額の計算は下記の算式となります。

保険金の課税対象金額=(受け取った保険金-実際に払った保険料-50万円)×1/2

利益全額に約20%の税金がかかる一般的な投資信託などでの運用にくらべて、保険商品での運用なら50万円以下の利益には税金がかからないうえに、それを超えた利益の部分の2分の1のみが課税対象となるのです。他の所得との総合課税なので税率は総所得によりますが、多くの方にとって節税効果が期待できるでしょう。

相続時の節税効果

万一ご本人が亡くなった場合、ご遺族が受取る保険金にも税金はかかります。ただし、「500万円×法定相続人の人数分」までは非課税で受け取ることができます。この節税効果によって、現預金で残すより多くの額を相続人に遺すことが可能となります。

生命保険料の節税効果は、被保険者、保険料支払い者、受取人によってその効果が異なってきますので、加入中の保険商品がどのようになっているか、確認してみると良いでしょう。

不動産投資

不動産投資は、家賃収入によるインカムゲインを狙って行うのが主流ですが、節税効果を期待して投資する投資家も多くいます。

不動産投資で得た所得金額は、その年の他の収入と合算して課税されます。不動産投資の所得金額が大きくなるほど、課税所得が増えることとなり、支払う税金も増えてしまいますので、これではもちろん節税になりません。
節税効果が得られるのは、不動産所得がマイナスとなる時です。
マイナスになるということは、一般的にはその投資で損をしているということになるのですが、不動産投資では一概にそうではないのです。

減価償却費の活用で節税

不動産収入における所得計算は、収入から経費を差し引いて計算します。その際、実際に支払った経費(不動産の管理費や修繕に関わる費用、固定資産税、ローンのある場合はその利息等)だけでなく、建物の「減価償却費」も経費計上することができます。これは、実際には支払いが発生しない帳簿上の費用です。時間が経つにつれて建物の価値が下がっていくという認識のもと、決められた計算方法により計上できます。
実際には支払いのない「減価償却費」を所得から差し引くことができるので、実際の収入を減らすことなく不動産所得を抑えることが可能となります。不動産所得がマイナスとなった時は、他の収入から不動産所得のマイナス分を差し引くことが認められているため、課税対象となる所得を抑えることができるのです。

相続時の節税効果

不動産で相続する場合、相続税の計算は固定資産税評価額を基準に計算するため実勢価格より低くなることが多いうえに、特例制度による評価の減額もあるので、相続対策としても節税効果が期待されています。
実際の相続税計算は、土地がある場合はその立地によって路線価方式と倍率方式で計算方法が違うことや、上記の特例なども複雑に関わってきますので、詳しい計算方法については税理士へ相談したり、専門家に助言を受けることをお勧めします。

まとめ

今回ご紹介した投資商品は、運用益や売却益を狙えるだけでなく、節税効果も得られるものです。もし運用や売却で思うような利益が上げられない場合でも、節税効果を利用することで手元に残る資金を増やすことができる場合があります。
ただし、それぞれに制度やルールがあり、注意しなければならない点もありますので、ご自身の年齢や状況に合った商品を選び、詳しく調べてから投資するようにしましょう。