不動産投資を行いたい場合、不動産投資ローンを利用することで少ない自己資金でも始めることができます。融資を受けて不動産投資を行うことで、いわゆる「レバレッジ」を効かせて投資効率や資金効率を高めることができます。しかし、このローン利用にあたっては知っておくべきポイントや検討しておくべきポイントがいくつかあります。そこで今回は不動産投資を始める方向けに、知っておきたいポイントを5つに絞ってお伝えしていきます。

不動産投資ローンのメリットや注意点

【メリット】
不動産投資ローンを利用する最大のメリットとして挙げられるのは、テコの原理になぞらえ、少ない資金で大きな投資効果が得られる「レバレッジ効果」です。ローンを利用して自己資金だけでは購入できないような投資物件を購入し、より多くの家賃収入を得ることをレバレッジ効果と言います。

不動産投資ローンの場合、返済原資は入居者が支払ってくれる家賃を充てて計算するため、一般的に給与収入が返済原資となる住宅ローンよりも多くの資金調達が可能です。特に立地などの面で投資物件の事業収益性が高いと判断されたような場合には借入限度額がさらに大きくなり、レバレッジ効果もより高いものとすることが可能となります。
投資実績がついてくると、既存の投資物件を担保に融資を受けるという事も出来るようになるため、新たな物件への投資を繰り返すことで、複数の物件を保有する専業大家となることも夢ではありません。

【注意点・リスク】
まず、先ほど述べたように、ローンの返済原資は将来の家賃収入となるため、空室率が高くなったり、家賃の滞納が発生したりすると返済が苦しくなり、最悪の場合には返済不能に陥る可能性があることが挙げられます。
また、不動産投資ローンのほとんどは変動金利が適用されるため、後ほどお伝えする金利上昇リスクには注意が必要となります。

さらにローンを組んでいる投資物件を売却する際に注意したいのが、売却額代金がローンの残債を下回るリスクがあることです。売却時は残債を一括返済することで金融機関の抵当権を抹消しますが、売却額が残債を下回る場合、不足する分は自己資金で補填する必要が出てきます。現金を得るために不動産を売却したいのに、売却するために現金を使わなければならないという事にもなりかねません。不動産投資および不動産投資ローンは一般的に長期にわたり付き合っていくものとなるため、これらの注意点・リスクを十分に検討しておきましょう。

固定金利と変動金利の違い

不動産投資ローンには後述する住宅ローンと同様に固定金利と変動金利があります。固定金利は融資が開始された時点で適用された金利が借入期間中にわたり変動せずに継続します。金利上昇局面でも金利が変わらないというメリットがある反面、反対に金利下降局面では相対的に割高な金利を負担しなければならないというデメリットがあります。

一方、変動金利とは定期的に金利の見直しが入って適用金利が変動していくタイプの金利です。固定金利と異なり、変動金利は金利上昇局面では高い金利が適用され、利回りに悪影響を与える可能性があります。その一方で金利下降局面では低い金利が適用されて利回りに好影響を与える場合もあります。尚、不動産投資ローンのほとんどの場合で変動金利が適用されます。

住宅ローンとの違い

住宅ローンと不動産投資ローンはともに不動産を購入するローンですが、その特徴には大きな違いがあります。住宅ローンの場合、資金使途は自己居住用の物件購入を前提とされており、融資審査は収入や年齢といったローン申込者の属性に重きを置かれています。

一方で不動産投資ローンの場合、投資用物件の購入を前提としており、融資審査は申込者の属性だけでなく、物件の収益性や事業としての信頼性などに重きが置かれています。そのため住宅ローンよりも審査内容が厳しくなります。

「属性の良い人」ほど融資条件が有利になる

不動産投資ローンを申し込んだ場合、同じ金融機関でもローン申込者の「属性」によって、金利面や調達可能な額に差が生まれます。属性とは、金融機関の融資審査担当者が重視するポイントで、「職業」「年収」「年齢」「居住状況」「家族構成」「資産状況」などの項目になります。これらの項目で評価が高い人は一般的には「属性が良い人」とされ、金利面や融資額で優遇されます。

属性が良いとされる人の代表的な職業としては、「公務員」「大手企業の正社員」「医師・弁護士・会計士・税理士」などが挙げられます。これらの職業の人は単に一般的なサラリーマンよりも平均的な年収が高いというだけでなく、継続的な安定収入があると考えられています。そのため貸し手となる金融機関にとっては貸し倒れリスクが低く、融資審査担当者からの印象が良い職業といえるでしょう。

公務員の不動産投資には注意が必要

公務員が不動産投資を行う場合、国家公務員法や人事院規則によって事業として営むことのできる範囲や許可等の必要性の有無が定められており、注意が必要です。一定規模未満の場合は許可等がなくても問題ありませんが、人事院規則に定められた範囲を超える規模の不動産投資を行う場合には人事院の承認または任命権者の許可を要する場合があるからです。承認や許可がない状態で一定規模を超える不動産投資を行った場合、減給などの懲戒処分や最悪の場合には懲戒処分となった事例もありますので注意してください。
尚、公務員の不動産投資については、別コラムでも紹介していますので、参考にしてみてください。
(参考:「公務員でも不動産投資は可能?注意すべきポイントとは?」

まとめ

今回は不動産投資を行うにあたり、不動産投資ローンの利用を検討される場合に最低限知っておきたい5つのポイントについてご紹介しました。この他にも大切なポイントはありますので、実際に利用する場合にはご自身でさらに調べたり、詳しい人に聞くなどして、念入りに調べてから申し込むようにしましょう。