資産運用を始める場合、その運用先として選択できる商品はたくさんあります。どの商品を選ぶかで運用の特徴やリスクとリターンのバランスは大きく異なってきます。
今回は資産運用の対象として代表的な12種類の資産運用先に絞り、リスクとリターンのバランスごとに3つのグループに分けて、それぞれの特徴を解説していきます。

ローリスク・ローリターンの運用先

普通預金・定期預金

預入先となる金融機関の破綻等があっても預金保険機構から一定の保護(1,000万円までの元本保証)がされることから最も低リスクの資産運用先となるのが預金です。ただし、日銀のゼロ金利政策が続く日本ではただ預金しておいてもほとんど利息がつきません。そのため、すぐに利用しない資金の一時的な預け先にすぎず、流動性を必要としないまとまった資金を長期間預けておくことは投資効率の面からみて、メリットは少ないと言えます。

例えば、日本の三大メガバンクの定期預金金利を見てみると、三菱UFJ銀行とみずほ銀行は「0.010%(2020年4月2日時点)」、三井住友銀行は「0.002%(2020年4月2日時点)」となっており、預入期間や預金額にかかわらず同一となっています。また、ネットバンクにおいても最も高い金利であっても1年もので預金額にかかわらず「0.20%(2020年4月2日時点)」であり、非常に低いことに変わりはありません。

外貨預金・外貨定期預金

日本国内の預金よりは金利が高く、さらに満期時に為替が円安であれば為替差益も狙えます。一方で両替時に発生する金融機関の手数料が高い点や満期時に円高であった場合、為替差損から元本割れのリスクがありますので注意が必要です。

個人向け国債

政府債など個人向けの国債は元本割れリスクが非常に低く、1万円から始められる点がメリットです。一方で前述した預金並みの低利回り「0.05%(2020年4月2日時点)、表面利率」のため収益性を狙った運用ではメリットが少ない商品となります。

ミドルリスク・ミドルリターンの運用先

株式投資(現物取引)

株式の現物取引とは、株を安く買って高く売り「キャピタルゲイン」を狙ったり、比較的長期保有して「インカムゲイン」となる配当金を狙う投資です。元本を大きく殖やしたり、運用中にも収入が期待できる一方、高く売り抜けられない場合や投資先の企業が債務超過などにより破綻してしまうと実質的に株が紙くず同然となるリスクがあります。

投資信託


投資家から集めた資金を運用会社所属のプロのファンドマネージャーが株や債券などを商品ごとに予め決められた運用方針に従って運用し、基準価格の上昇を目指す商品です。例えば、株式で運用する商品の場合でも様々な銘柄で運用するために一つの商品で分散投資が可能となります。
投資家は基準価格上昇後に売却することで得られる「売買差益」によるキャピタルゲインや、「分配金」がある商品の場合にはインカムゲインが狙えます。

投資信託は運用スタイルによって、「インデックスファンド」と「アクティブファンド」に分かれます。インデックスファンドが「S&P500株価指数」や「日経225」といったベンチマークとなる株価指数の市場平均並みの運用成績を目指すのに対して、アクティブファンドは独自の運用方針によって市場平均以上の運用成績を目指すファンドです。アクティブファンドでは、市場平均を上回る運用を目指す分、自然と売買頻度も高くなり、管理の手間もかかるために手数料も高くなります。アクティブファンドはそうしたリスクを取ることと引き換えに、大きなリターンを狙うのです。
リスク・リターンの大きさの違いはあれ、いずれのファンドも市場の急落などによる「元本毀損リスク(元本割れのリスク)」があります。

ETF(上場投資信託)

ETFは、“Exchange Traded Funds”の略で、「上場投資信託」と呼ばれています。投資信託同様に分散投資が可能な商品ですが、投資信託との大きな違いは上場しているか上場していないかという点です。ETFは証券取引所のみで取り扱われる一方、投資信託は証券会社や銀行、郵便局でも取り扱いがあります。
特徴としては、市場でいつでも売買できる、値動きが分かりやすい、費用が安い、などがあげられます。元本毀損リスクについては株式や投資信託と同様に注意が必要です。

不動産投資

一般的には多くの資金を必要とし、ほとんどの場合、銀行から借入をして投資をすることになります。その場合、自己資金よりも大きな資金を使って収益を得ることができ、レバレッジを効かせる点が魅力となります。また、株式や投資信託のような短期間での値動きが少ないため、安定した家賃収入によるインカムゲインが得られるメリットがあります。そして、物件の条件によっては売却時のキャピタルゲインも狙える投資です。
不動産投資の中でも賃貸運営の仕方はいくつかあり、アパート経営のような通常の賃貸に加え、最近では民泊や時間貸しなど、その運営方法にも幅が出てきています。
一度賃借人が決まってしまえば、その期間の収入は安定するものの、賃借人が決まらない間の空室リスクや物件管理のトラブルなどには注意をしながら、毎月のローン返済後のキャッシュフローまで考えたしっかりとした資金計画が必要になってきます。

J-REIT(不動産投資信託)

投資家から集めた資金を現物の複数の不動産に分散投資をおこない、家賃収入や売却益を分配金として投資家に還元する商品です。ファンドで保有する不動産は証券化されるため、投資家は数万円単位での小口で現物の不動産を保有することなく、手軽に不動産投資がおこなえます。
また、いつでも売却できるために現物不動産にはない高い流動性が魅力です。
ただし、価格変動による元本割れリスクや災害などによるリスクがある商品ですので、よく特徴を理解しておく必要があるでしょう。

不動産特定共同事業による不動産小口投資

ここでは軽く触れるだけとしますが、J-REITと同じように不動産を小口化して行う投資には、不動産特定共同事業による投資があります。この中ではさらに現物投資となる「任意組合型商品」、現物ではなく、投資した現物不動産から分配金を得る投資となる「匿名組合型商品」などに分類されます。
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ハイリスク・ハイリターンの運用先

株の信用取引

現物株取引と異なり、取引時には現物の譲渡が行われず、はじめに保証金(担保)を差し入れて現金や株式を借りる方式が信用取引です。信用取引では「買い」だけでなく「売り」からも取引することが可能となっています。さらに、差し入れる委託保証金額の約3.3倍までレバレッジを効かせ、少ない資金でより大きな利益が狙える資金効率の高い投資です。ただし、予め保証金(担保)率が定められており、運用中はその保証金率を維持する必要があります。含み損が膨らみ保証金率が最低維持率を下回ってしまうと追加で保証金を預け入れる「追証」が必要になる場合もある、ハイリスクな取引となります。

先物取引

NYダウや日経225などの株価指数や原油・農産物などの商品などを対象とし、将来において予め決められた金額で売り戻す権利や買い戻す権利を売買する信用取引です。価格変動のある物を一定の価格で取引できるため、価格変動による影響を避けることができます。
レバレッジを効かせての少額で大きなリターンが狙えますが、含み損が大きい場合は株の信用取引と同様、追証が必要となる可能性があるなどハイリスクな投資となります。

FX(外国為替証拠金取引)

他の国の通貨の売買を通して、為替差益を狙う投資です。FX取引をしている会社に専用の口座を開き、元手となる資金を入金します。FXも、レバレッジを利かせられるところが魅力の一つで、証拠金として入金した金額に対し、最大で25倍まで(2020年4月2日時点、個人の場合)の運用ができます。メキシコやトルコなどの高金利通貨で長期のポジションをとり、スワップポイント(金利差調整分)と呼ばれる2国間の金利差で得られる利益を狙うトレード手法もあります。
レバレッジを効かせる場合にはリターンが大きくなって効率良く稼げる一方、追証が必要になるなど、リスクもその分だけ大きくなるために初心者は特に資金管理が必要です。そして、為替の動きは日々上下するため、為替の上下に一喜一憂せず、長期的な目線で取り組むことが大切です。

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まとめ


今回はリスクとリターンのバランスから3つのグループに分けて資産運用の対象先となる12種類についてお伝えしてきました。ただし、実際には今回分類したリスクとリターンに当てはまらない商品もありますのであくまで大枠として捉えてください。
いずれにしても資産運用は自分のリスク許容度に応じて、余剰資金で始めるのが鉄則ですので、資金管理ができなくなるような投資にならないよう注意しましょう。