リノベーションはご存知の通り、古くなった物件に、機能性やデザイン性を加えて改装し、新たな価値を生み出すことを目的とした工事であり、単に補修や原状回復を目的としたリフォームとは異なります。
今回は、リノベーションを取り巻く背景やメリット、注意点などについてお伝えしていきます。

中古マンション逆転現象

最近の中古市場動向を見てみましょう。
各社メディアでも取り上げられていますが、首都圏においては、2016年から2018年まで3年連続で中古マンション成約件数が新築マンションの供給量を上回っています。これは、人件費や資材費など建築費の上昇により新築マンションの価格が高騰する一方で、各世帯の収入の伸びが追いつかずに、供給と需要のバランスが崩れたことが要因の一つとなっています。
現在の地価は35年前と同等ですが、マンション価格は35年前の約2.3倍、住宅建設工事費は約1.35倍(住宅建設工事費は全国値)となっています。
出展:国土交通省 平成30年度住宅経済関連データより

注目すべきは、中古マンションの価格が上昇してきているにも関わらず、中古マンションを選ぶ割合が増えている点です。消費者のマインドが「安いから中古」から「質も踏まえて中古」にシフトしていることがうかがえます。
今後もしばらくは新築マンションの価格が高止まりする状態は続くとみられ、中古市場がますます賑わいを見せる予測となっています。

空家問題

中古市場を語るにおいてもうひとつ、年を追うごとに増えている空家問題があります。
ひと口に空家といっても、実際は「二次的利用」「賃貸用」「売却用」など要因別に分かれており、この中でも特に問題となっているのは、長期にわたって不在の住宅や建て替えなどのために取り壊すことになっている住宅などの「その他の住宅」です。
平成30年度における「その他の住宅」の住宅ストックに対する割合は全国平均で5.6%、高知、鹿児島、和歌山においては10%を超えています。この深刻な状況を抱え、わが国では空家等対策の推進に関する特別措置法の施行や、改正建築基準法において既存建築ストックの活用が示されるなど、政府も本格的に対策に乗り出しています。
これらの時代背景は、「リノベーション」というキーワードを注目させる大きな要因となりました。

リノベーションのメリット

リノベーションにはどのようなメリットが考えられるのでしょうか。ここでは3つご紹介します。

新築と比較して、安く機能的でおしゃれな物件を手に入れられる


新築物件は、基礎や躯体から設備まで、建築にかかる1~10までのすべての工程が費用としてかかります。また、着工する前の測量や地盤調査・改良費用なども見えない経費として上乗せされています。
一方でリノベーションは、建物の状態にもよりますが、多くの場合、外観や内観、設備を中心とした工事に限られるため、見た目は新築同様に新しくても、かかる費用は新築程大きくありません。
そして、竣工後の物件価値にも違いが出てきます。新築マンションや新築戸建ての価格は、竣工後15年程度は下がり続ける傾向にあり、築20年を過ぎたあたりから、価格がある程度安定してきます。リノベーション物件であれば、購入後数年ですぐに資産価値を落としてしまうようなリスクを避けることができます。

物件選びの幅が広がる

物件選びに欠かせないエリア選び。ただし、多くの場合、予算ありきなのが現実かと思います。新築物件で人気のあるエリアを選ぼうとすれば、予算が合わないのではないでしょうか。
特に都心では、新築戸建や新築マンションを希望する人が多いため、価格が高騰する要因となっています。
一方で中古物件を条件に加えれば、同じエリアでも新築と比べて安価に手に入れられるため、駅から徒歩5分圏内、または人気の施設の近くなど、自分の趣向やライフスタイルに合わせて物件選びに幅を持たせることができます。納得のいくエリアで物件を見つけられたら、自分の好みの部屋へとリノベーションすれば良いのです。

その時代に合わせた最適な空間をつくることができる

リノベーションが人気となっている理由の一つは、やはりこの空間づくりにあるとも言えます。
空間づくりは、二通りの楽しみ方があります。1つは、部屋の中だけの範囲で見るものです。もう1つは、窓を開けたときに見える景色も含めたものです。
中古物件の中には、その物件が新築されたときと街並みがすっかり変わってしまったり、物件が老朽化することで、街並みと物件がマッチしなくなってしまうことがあります。こうしたとき、リノベーションを行うことで、現在の街と調和した空間づくりができるのです。

リノベーションの注意点

リノベーションは時代のトレンドともいえ、リノベーションを手掛ける会社が数多くあり、多くの事例がありますが、リノベーションをすればどんな中古物件でも良いというわけではありません。次に具体的な注意点について見ていきましょう。

物件によってできることに制限がある

マンションであれば、工事ができるのは隣接する部屋に影響のない範囲に限られます。また、管理規約により制限のある場合があります。最近普及してきたオール電化に関しても制限があり、工事不可となる場合もあるので、各々事前に確認が必要です。
戸建の場合では、構造体(耐震や耐久性などの構造上必要な柱や梁)が密接に関わってきますので、間取り変更のための柱や壁の取り外しができない箇所があります。
マンションでも戸建でも、工事箇所と工事内容の希望を伝えた上で、事前に希望の工事が出来るか出来ないかの判断をした後にリノベーション会社と契約をするようにしましょう。

思いがけず費用がかかることがある


これは、リノベーションの問題というより、購入する中古物件の問題ですが、中古物件購入時には、建物状態にさほど老朽化や腐食は見られなかったのに、工事着工後に、物件の見えない部分で補修が必要となるようなケースです。
こうなってくると、床の張替えや設備の入れ替えを中心にリノベーションを考えていたとしても、建物の安全性を確保するために、多額の費用が発生することとなります。
瑕疵(通常、一般的には備わっているにもかかわらず本来あるべき機能・品質・性能・状態が備わっていないこと。)について、一般的に新築物件の場合、不動産会社や建築会社が責任を持ち、引き渡しから2年以上の期間が設けられます。一方、中古物件購入の際は、売主が個人の方になる場合も多く、引き渡しから責任を負う期間が短く設定されることになります。また売主自身も知らない瑕疵がある可能性もあり、注意が必要です。心配な点があれば、ホームインスペクションという第三者の住宅専門家に欠陥がないかをチェックしてもらうサービスなどを利用しても良いでしょう。

まとめ


今回は、中古市場の動向とそれに伴って賑わいをみせるリノベーションについてお伝えしてきました。日本の住環境をより良くしていくためには、老朽化の激しい物件は建替えをし、まだ活用ができる中古物件においては、リノベーションを施して価値を高めてその物件の命をつないでいくことが求められます。
リノベーションは使える資源を再利用し、空家問題の解決法ともいえる社会性の高い事業です。
COLEADでは2号物件として「アイディステイ河口湖Ⅲ」として、空家をリノベーションして民泊物件に生まれ変わらせました。「物件を自分で所有してリノベーションするにはまだ勇気がいる・・・」という方は、COLEADをはじめとする不動産特定共同事業に参加してみるところから始めるのも良いのではないでしょうか。