土地活用についてはマンションやアパート経営から等価交換・土地信託などまで実に様々な種類があります。それぞれにメリットやデメリットがありますので、これからご紹介する内容について土地を有効活用するための知識として是非参考にしてみてください。

土地活用の目的別分類について

土地は所有しているだけで固定資産税がかかってくるために有効に活用したいものです。土地を上手く活かすことでそこから収益が得られるだけでなく、節税対策としての効果もあります。土地活用は主に目的別に分けると以下の4つに絞ることができます。

・売却して資金を得る
・貸して賃料収入を得る(借地)
・自己利用(マンションやアパート経営など)
・共同活用(土地信託・等価交換)

次にこれら4つの目的別分類をさらに具体的な活用方法に分け、それぞれのメリット・デメリットを詳しくご紹介していきます。


分類別のメリットデメリット

売却

メリット デメリット
・資金化できる
・税負担が無くなる
・譲渡所得税
・売買手数料が発生する
・土地の運用で収益を得るチャンスを失う

土地の売却から得られるメリットとしては資金化できる点と所有継続していた場合に発生する固定資産税の負担が無くなる点が挙げられます。特に相続や離婚などの際には現金にしておくと公平に財産分与しやすくなり、それによってトラブル回避にもつながるので、メリットが大きいと考えられます。

反対にデメリットとしては売却時に発生する譲渡所得税や不動産会社に支払う仲介手数料などの費用が発生する点です。また、売却後はアパートや駐車場などを経営することで発生する運用収益を得るチャンスは無くなってしまいます。

借地(定期借地)

メリット デメリット
・所有権が維持できる
・初期費用負担無しで安定収益が得られる
・相続税対策となる
・土地を自由に活用できなくなる
・他の運用方法よりも収益率が低い

他人に自分の土地を10年から50年と長期間にわたって貸すことで収益が得られるのが、定期借地です。所有権を維持したままの状態でアパートの建築費用といった多額の初期費用負担なく、安定的な収益を得られることがメリットです。さらに定期借地権を設定して貸し出すと、更地の状態に比べて相続税評価額を3割から4割程度まで下げることができ、相続税の節税効果が期待できます。

反対に借地契約の期間中は自由に上物などを建てた土地活用ができなくなりますし、売却自体も困難となる点はデメリットです。また、アパートやマンションなどによる運用から得られる賃料収入に比べると、借地料は総じて低いために収益性の面で劣ります。

自己利用

自己利用とは主に土地の上にアパートなど建物などの上物を建てたり、駐車場にしてその収入を得る方法になります。代表的な利用方法のメリットとデメリットについてご紹介していきます。

アパート・マンション経営

メリット デメリット
・他の土地活用方法よりも収益性が高い  
・高い節税効果が狙える
・建設費用などの初期費用の負担が大きい
・空室リスクなど様々なリスクがある

アパートやマンションは駐車場やトランクルーム経営など他の土地活用方法よりも高い収益が見込めます。また、賃料収入といった不動産所得に対しては建物の減価償却費などの経費計上ができて高い節税効果があります。特にサラリーマン大家や他の事業を営んでいる場合、給与所得や事業収入と損益通算できる点も魅力です。

反対にデメリットになるのが、運用開始の際には建物の建設費用がそれなりにかかるためにある程度まとまった自己資金を用意したり、ローンを組むなどの重い負担がある点です。また、計画通りに入居者が集まらずに賃料収入が見込めない空室リスクや入居者が家賃を滞納するリスクなど様々なリスクもあります。ローンを組んで建設費用を負担する場合、借入れ金利が上昇するリスクに対して備えが必要になります。

駐車場・トランクルーム経営

メリット デメリット
・初期費用負担が軽い
・土地の形状が悪くても活用できる
・別の活用方法への切り替えが簡単である
・節税効果が低い
・想定通りの稼働率とならない場合がある

駐車場経営は月極駐車場とコインパーキングがあり、月極駐車場の場合は初期費用負担がほとんどかかりません。またコインパーキングやトランクルームでも業者による土地の一括借上げタイプの場合、機械やトランクルームの購入するための初期費用を負担する必要がありません。その他のメリットとしては、変形地など土地の形状や日当たりに関係なく有効に土地活用したり、途中で更地にしてアパートを建てるなど別の運用方法に切り替えやすい点も挙げられます。

反対にアパート経営など上物を建てる場合に得られる固定資産税の減税効果が得られない点はデメリットです。また、稼働率が低ければ収益面でも期待できないことになる点については、自己負担でパーキング機械やトランクルームを購入して運用する場合に特に注意が必要です。

商業施設・医療施設経営

メリット デメリット
・初期費用負担が少ない
・賃料が高くて収益性が優れている
・節税効果が狙える
・空室リスクがある
・全面改修費用の費用負担がある

両方ともテナント事業者や医療事業者と共同で施設の開発をおこなう土地活用方法で、「事業用定地借地方式」が主流ですので、初期費用負担が少なくて済みます。また、マンションなどに比べて賃料設定が高くて収益性の面でも魅力的ですし、上物を建てることによる節税効果も狙えます。

ただし、立地が悪かったり、景気悪化などの理由から入居テナントが見つからない空室リスクがあります。また、次のテナントを見つけるために全面改修が必要な場合があり、住居用のアパートやマンションなどよりも高い費用負担が発生する可能性もあります。

高齢者施設経営

メリット デメリット
・高くて安定した収益が狙える
・補助金・税制優遇が狙える
・初期費用の負担が大きい
・広い土地が必要となる場合がある
・介護士不足のリスクがある

介護事業者と共同で土地の上に老人ホームなどの介護施設を建設して運用する方法です。一度介護施設の運営が始まると長期間の賃貸借契約が締結されるために安定的に高い収益が狙えます。また、一定の条件を満たすことで補助金や税制上の優遇措置が受けられる場合もあります。

反対にこのような施設を運営するための国の規制に従うために広い土地を必要としたり、そのために初期費用負担も大きくなる可能性がデメリットとしてあります。また、必要な人数の介護士が集まらないリスクについても検討しておく必要があります。

共同活用

共同活用には土地信託や等価交換があり、どちらも信託会社やデベロッパーといった事業者と共に土地活用を進めていくことになります。

土地信託(賃貸型)

メリット デメリット
・信託期間終了後に土地と建物が戻ってくる
・専門知識不要で土地活用ができる
・運用益(配当)の保証はない

土地信託とは、信託会社と信託契約を結んで所有している土地の運用を任せ、配当という形で運用益を受け取る一方、信託会社は信託報酬を受け取る仕組みです。信託会社は運用するために土地の上にマンションなどの上物を建設し、賃料収入などから建設費用を負担するために実質的に土地の所有者が負担したのと同じことになります。

この賃貸型の土地信託の場合、信託期間終了と共に土地と建物が戻ってくるというメリットがあります。また、土地活用の専門家である信託会社に任せることで運用にあたり専門知識は不要です。反対に土地の運用から必ずしも利益が出るという保証がありませんし、運用成果はすべて信託会社任せというデメリットもあります。

等価交換

メリット デメリット
・資金の持ち出し無しで利益が得られる
・住まいを確保しつつ、土地活用できる
・譲渡税優遇措置が受けられる       ・遺産分割が容易になる
・土地の持分の一部を失う
・希望条件のデベロッパー探しが難しい

等価交換とは、所有者が自分の土地を提供し、その土地の上にデベロッパー(事業者)が建設費用を負担してマンションなどの上物を建てて売却し、所有者は建物の一部を譲渡してもらうことです。所有者は建設費用など多額な費用の借入などをせずに、自分の住まいを確保しながら土地活用が可能になります。また、等価交換では買換え特例適用により譲渡税が繰り延べられ、さらに土地から建物に形が変わることで遺産分割が容易となる点もメリットです。

反面、土地については譲渡を受けた建物面積部分に相当するものに限定されるために結果として土地の持分を部分的に失うというデメリットについては検討しておく必要があります。また、デベロッパーが事業を進めたくなるような有利な条件の土地でなければ優良なデベロッパー探しが難しくなります。


まとめ

今回は土地活用の種類とそれぞれのメリット・デメリットについてご紹介してきました。どの方法が最適かについては、立地や広さなど土地の条件や所有者の希望や事情によっても異なりますので一概には言えません。従って今回ご紹介したそれぞれの土地活用のメリット・デメリットをよく理解した上で、自分の所有する土地や希望条件、置かれた状況などを総合的に検討してベストなソリューションを考えていくと良いでしょう。