投資はリスクを伴うもの。特に日本では、「投資」という単語そのものに拒否反応を示したり、元本が保証されていないことに不安を感じて投資を敬遠している人がいまだに多いのが現状です。
その反面、ロボアドバイザーの導入、おつり投資・ポイント投資のような気軽にできる投資が登場したことで、投資デビューのタイミング(年齢層)が幅広くなってきている傾向もあります。

投資は「しない」より、「した」方がいい?

最近CMでも見かけるWealthNavi(ウェルスナビ)CEOの創業ヒストリーに『30年の資産運用が「10倍」の差を生んだ』というお話があります。会社勤めの自分の両親(日本人)と米国人妻の両親、同じようにコツコツ貯蓄していたにもかかわらず、30年間の運用の仕方の違いで資産の差が10倍にもなっていたのだそうです。
CEOの両親にとって、「給与は銀行預金に寝かせておくもので一部を資産運用に充てるというのは身近な方法ではなかった」反対に米国人妻の両親は、「若い頃から余裕資金を世界中の株式や債券に分散投資し、30年ほどかけて運用していたらリタイアする頃には億を超える資産に成長していた」
というのです。(『WealthNavi’s History』より抜粋)

投資を「しない」「する」は当然個人の選択によりますが、しなかった人とした人との間にこのような差ができたというのは、事実なのです。

公的年金だけでは老後生活は成り立たない・・・資産運用の必要性

年金受給額は年々減らされ「公的年金だけでは老後生活はできない」「老後資金として 2,000万円を公的年金以外に用意しなければならない」と言われています。

高度経済成長からバブル期までの日本のサラリーマンは、終身雇用で右肩上がりの給与形態でした。銀行金利は高く、投資をしなくても給料の一部を積立てておけば老後の心配をする必要はなかったのです。
しかし、そんな時代は終わりました。これからは自助努力として投資が必須とされているのです。
“投資”という言葉に抵抗がある人は、“資産運用”と言い換えて考えてみましょう。

「投機」と「投資」「資産運用」は違う

「投機」と「投資」「資産運用」を誤解して、投資を敬遠している人が多いので、ここで簡単に違いを説明しておきましょう。

投機の意味

投機は、チャンスやタイミングによる相場の変動を利用して“短期で利益を得ること”を目的としています。「賭け」に近いものもあり、大きな損失が発生する可能性があります。株のデイトレードなどがその例です。

投資の意味

投資は本来“資本にお金を投じる”という意味で、企業の成長性に期待しその企業が活動するための資金を長期的に出資することです。長期の株式投資が代表的な例でしょう。
ただ、ここでお話しする投資とはあくまでも「資産運用」ですので、長期株式投資などはその方法の一例です。

資産運用の意味

資産運用とは、現在保有している資産や今後入ってくる収入を運用し、将来発生する可能性がある“支出に計画的に備えること”です。
例えば5年後に子供の教育資金として200万円必要な場合、毎月ただ3万円ずつ貯めていても20万円不足します。その場合、どのような利回りで運用をすれば5年で200万円にできるか…預貯金利率が5%以上だったバブル期なら、利率の高い金融機関に預けるだけでも資産を増やせていましたが、ゼロ金利が続くいま、その運用方法として何らかの「投資」をするしかないのです。

投資をするメリット・デメリット

投資のメリット

現行の銀行金利では、100万円を定期預金に10年間預けても資金はほとんど増えません。
しかし、利回りの良い運用商品に投資すれば資産は大きく増えます。長期継続的に投資することで複利効果を活用しインカムゲイン(利息や配当金のような継続的に受取ることができる収益)を増やしていくこともできますし、また、商品を売却した時にキャピタルゲイン(売却益)を得られる可能性もあります。

時間をかければ、運用次第で資産を倍増させることも不可能ではありません。

投資のデメリット

元本が保証されていない商品での運用は、損失が出る可能性もあります。
ただ、元本保証の預貯金であっても、預金保険で保証されるのは上限1,000万円です。そのため、銀行の倒産などで1,000万円を超える部分は失ってしまう可能性もあります。

投資を「しない」「した」場合の将来的な差は?

例えば100万円を2倍にするには、年利1%で運用すれば単利で約100年、複利でも約72年かかります。しかし、年利5%で運用すれば単利で約20年、複利なら約14年で2倍になります。

資産を2倍にするために必要な年数

年利 複利 単利
0.1% 720年 1,000年
1.0% 72年 100年
3.0% 24年 33年
5.0% 14年 20年

100万円を年利1%で複利計算すると20年で約122万円、年利5%なら約265万円にまで増えます。しかし投資をせずに0.1%の預貯金に預けると、約102万(1,020,190)円にしかなりません。
数%の利回りの差が、将来大きな差になるのです。

投資をする上での注意点

資産運用では、投資先の分散(分散投資)と時間の分散(継続投資)が重要です。
投資先を1つに絞った場合、その会社が倒産したりその商品の価格が下がったらダイレクトに被害を受けます。また、資金を一時に全額投資した場合、ひとたび大暴落が起これば大きな損失が出ます。
株、債券、不動産などに投資先を分散させれば、一部の投資商品の価格が下がってもリスクを最小限に抑えることができますし、長期間の時間分散投資をすることで価格変動リスクを軽減できるのです。

まとめ


投資はリスクを伴うものですし、成功のための正解はありません。
ただし、ゼロ金利時代のいま、限られた収入から限られた貯蓄をするだけで、将来必要な資金を作ることができるのでしょうか?
とはいえ目減りさせるわけにもいかない大切な資産です。”分散投資でリスクを抑え長期運用すること”が、最も重要なポイントといえるでしょう。