投資は、銀行の預金と比べて大きな利益を得られる可能性があるものの、元本が保証されていないために損をすることもあります。
リスクをともなう投資には“余裕資金で”と言われていますが、この余裕資金とは具体的にどういうものなのでしょうか。

余裕資金とは何か?

一般的に余裕資金とは、食費や居住・光熱費、子供の基本的な教育費など日常生活全般に必要なお金以外の、“無くても今の生活には影響しないお金”のことです。
ただ、その余裕資金をすべて投資にまわしてしまったら、病気など予期せぬ時に大きな出費が必要になった際に困ります。
そのため、実際には余裕資金のうちの一部が「投資に使える余裕資金」なのです。

余裕資金の計算方法と目安について

余裕資金の計算方法

「投資に使える余裕資金」にこれといった基準はありませんが、よく言われているのが、今ある貯蓄額から「生活防衛費」を除いた額です。
生活防衛費とは、もし何らかの理由で収入が無くなってしまった時に必要な生活資金のことです。
サラリーマンなら今の生活費の半年分、40歳以上ならプラス数カ月分の金額が一般的とされています。
生活防衛費は、銀行など元本が保証された口座で管理し、もしもの時にすぐに使えるようにしておきましょう。

例)生活費18万円/月の場合
貯蓄額-(18万円×6カ月)=投資に使える余裕資金

余裕資金の目安は?

投資には元本割れのリスクがあります。そのため、投資に使う資金は“多少減っても許容できるお金”と考えておく必要もあります。
株や投資信託で長期運用する場合、そもそも価格は上下するものなので一時的な損や利益に一喜一憂するべきではありません。「自分にとって一時的にどの程度なら損しても許容できるか?」を考え、その範囲でリスク許容度に応じた投資をすべきでしょう。

例えば、投資に使える資金が100万円で、10~20%をリスク許容度とする場合、ローリスクからミドルリスクの投資に80%、残り20%をややハイリスクの投資にする……という様に分けるのも1つの方法です。

余裕資金が貯まるまで「投資」を待つべき?

多くの投資未経験者が「そもそも、今はまだ余裕資金なんて無い!」と言って、投資を見送っています。では、余裕資金の準備ができていない段階では、投資自体避けたほうが賢明なのでしょうか。そして、余裕資金はどのようなペースで貯蓄していくべきなのでしょうか。

投資は「時間」が最大の武器

複利の武器

配当利益を“複利”で運用すれば、「利息が利息を生む」仕組みで時間があればあるほど大きく増やせます。

複利とは・・・“元本”と“利息”に対して利息が付く計算方法です。例えば100万円を預けて1年で1%の利息がつく場合、1年後には100万円×0.01で101万円。利息は10,000円となります。さらに2年後には、101万円×0.01で101万100円。つまり利息は10,100円となります。これに対して「単利」の場合は、“初めの元本にだけ利息がつく”ので上記の場合、毎年10,000円の利息が付くことになります。

時間分散(ドルコスト平均法)の武器

株や投資信託のように価格が変動しやすい商品は、一定の金額で長期積立投資することで、価格が下がった時に多くの口数を購入できて、高値の時には少ない口数の購入になり、平均的な購入価格を下げることができます。

投資には当然ながらリスクがありますが、「時間」はそのリスクを軽減し、より大きくふやすための最大の武器になります。10~20年単位での積立の継続によって、この武器を最大限に活かすことができます。
積立投資をするなら、早いに越したことはないのです。

貯蓄を3つに分けてみよう

一般的には、毎月とボーナスのお給料(手取り)から実際に生活に必要な金額を除いたものが、貯蓄できる金額と考えます。
その貯蓄を、まず2つに分けて計画を立てます。
「貯蓄A(使うためのお金)」・・・旅行や大きな買い物など近々使う予定のある資金のための貯金。
「貯蓄B(貯めるためのお金)」・・・特に目的は無いが将来のために貯める貯金。

貯蓄Aは、目的の出費までの期間中に計画的に貯めなければならない金額で、貯蓄Bはそれ以外になります。残業代がたくさん入った時や予想外にたくさんボーナスがもらえた際には、無駄遣いを控えて貯蓄Bに投入しましょう。

そのうえで、貯蓄Bをさらに2つに分けます。

本来の貯蓄Bは、将来のリスクに備えた“生活防衛費を貯める”目的もあるのですが、そのうちの一部を「貯蓄C(ふやすためのお金)」として投資にまわします。今の銀行利息ではお金は増やせないので、一部を投資して増やせる可能性をつくるのです。

少額からできる「積立投資」で余裕資金をつくる

まとまった余裕資金が無くても、毎月数千円からできる積立投資なら投資に参加することができます。
「貯蓄C(ふやすためのお金)」のお金で毎月少しずつ時間をかけて資金をコツコツ積み上げ、余白で「余裕資金」を作り出すのです。長期の積立投資には、時間分散によりリスク軽減できる強みもあります。
ある程度まとまった金額になれば、そこで別の投資に挑戦してみるのも良いでしょう。

まとめ

「投資は余裕資金で」と計画的に考えられているものの、肝心の余裕資金が確保できず、まったく投資をせずに時間を過ごしているとすれば、非常にもったいない話です。
資金は少なくても時間がたっぷりあるのであれば、先ほどお話しした様に少額でも計画的に投資に参加する価値はあります。むしろその時期なら失敗しても少額で済みますし、それが経験となり次の成功につながります。また、長期積立投資のように、マイナスがプラスになるものも利用しやすいのです。
若い世代こそ最大限利用できる「時間」を使って、自分の手で「余裕資金」をつくり、将来に向けた資産形成に取り組みましょう。