不動産投資はリスクが大きいというイメージはありませんか?
確かにリスクは存在しますが、しっかりと投資先を選べば株や先物取引などと比べて遥かに安定的な投資商品と言われています。

また、不動産小口化投資の中には通常の不動産投資にはない「優先劣後システム」を採用してリスク対策を図っている商品も存在します。(※匿名組合型商品に限る)

今回のコラムでは、不動産投資における代表的なリスクである「空室リスク」についてと、不動産小口化投資における「優先劣後システム」について説明します。

空室リスクとは?

空室リスクとは、所有する物件の賃貸入居者が退去することにより、家賃収入が得られなくなってしまうリスクの事を言います。

不動産投資は、購入した物件を貸し出し、入居した借主から家賃収入を得るスキームが一般的です。物件を購入する際に銀行ローンを利用した場合は、家賃収入からローンの返済を行い、また、物件の修繕や必要な管理費があればそれらの支出を支払ったのちの残りが所有者の利益となります。

例)下記条件の1棟アパートを購入した場合
 毎月の家賃収入が30万円
 ローン返済が15万円
 維持管理費が5万円
 
この場合、30万 – 15万 – 5万 = 10万円が毎月の利益です。

上記の例のように家賃収入が入っている間は問題ありませんが、入居者の退去により収入は減少する可能性があります。しかし、家賃収入が減ってもローン返済や修繕費、管理費等の支払いは同じように発生しますので、空室が増えると投資物件の収支はマイナスになってしまいます。これが不動産投資における空室リスクと呼ばれるものです。

空室リスクの対策としてサブリース契約を利用する方法があります。サブリース契約にすると、空室が発生したとしても常に安定した収入を得られるようになりますが、サブリース料として一定の手数料が取られること、契約の内容によってはサブリース料の見直しを迫られる可能性があることなどに注意が必要です。

優先劣後システムとは?

優先劣後システムとは、お客様を優先出資者、当社を劣後出資者と定義し、元本の償還及び分配金の支払いを優先出資者に対するものから優先的に行うことで、優先出資者に対する元本及び分配金の安全性を高める仕組みのことを言います。

家賃収入が減少してしまったとしても、一定割合までの減少であればお客様への分配金には影響が出ないため、お客様から見ると空室リスク対策が施された不動産投資商品であると言えます。

■優先劣後システムのイメージ図

上記は優先劣後システムのイメージを表したものです。

分配金は出資者の皆様へ優先的に分配し、その後の残利益がある場合に劣後出資者である当社に分配します。空室や修繕費により家賃利益が減少した場合でも、まずは当社の分配金から減らしていくため、出資者の皆様への分配金には影響が出にくい仕組みになっています。

例)1億円のアパート(満室時表面利回り7%、優先分配利回り5%)を下記条件にて不特法商品とした場合
 優先出資 8,000万円(80%)
 劣後出資 2,000万円(20%)
 家賃収入 700万円(1億円×7%)
 維持管理費等 200万円
 優先出資分配金 400万円(8,000万円×5%)

この場合、家賃収入700万から維持管理費200万を差し引いた500万円が家賃利益となります。500万円のうち400万円が 優先出資分配金 として分配され、残りの100万円が劣後出資分配金となります。

それでは、この物件で仮に空室が発生し家賃収入が100万円減少してしまった場合はどうなるでしょう?

家賃収入600万から維持管理費200万を差し引いた400万円が家賃利益となります。家賃利益はまず優先出資分配金に充てられますので、400万円は全額優先出資分配金として投資家の皆様に分配され、劣後出資分配金が0円となります。

つまり、家賃収入が減っても一定ラインまでの損失であれば、優先出資者の皆様への分配金には影響がないという事です。これが、優先劣後システムの「分配金の安全性を高める仕組み」になります。

元本の安全性も高める

優先劣後システムには分配金の安全性だけでなく、元本の安全性を高める効果もあります。

■優先劣後システムによる元本のリスク対策

上記は優先劣後システムによる元本のリスク対策をイメージ化したものです。

通常の不動産投資の場合、売却時に発生した損失は投資家が負担することになりますが、優先劣後システムを採用した不動産小口化商品の場合は、劣後出資割合分までの売却損失を劣後出資者である事業者が負担します。

例)1億円のアパートを8,000万円で売却することとなった場合
 優先出資 8,000万円(80%)
 劣後出資 2,000万円(20%)
 売却損失 2,000万円(1億円-8,000万円)

この場合、発生した2,000万円の損失は劣後出資から補填するため、優先出資者の皆さまからお預かりした8,000万円はそのままお返しすることが可能です。

このように、一定割合までの損失を事業者が負担することで、出資者の皆様への元本には影響が出にくい仕組みとなっています。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

優先劣後システムの仕組みは専門的で若干わかりにくいですが、匿名組合型の不動産小口化商品のもっとも大きな特徴であり、投資家の皆さんの元本と運用で得られる分配金の安全性を高めるとても重要な仕組みとなりますので、ぜひともご理解頂きたい内容となっています。

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