前回の記事でほったらかし投資の一つとして紹介した「不動産特定共同事業」。事業を行い不動産小口化商品を販売するためには様々な要件をクリアし、不動産特定共同事業許可を受ける必要があります。今回は、不動産特定共同事業者のどのような点をチェックすれば良いのかを確認してみましょう。

許可要件

不動産特定共同事業を営むためには、国土交通大臣または都道府県知事から許認可を受ける必要があります。要件は以下のようなものになりますが、全体的に厳しめになっており、過去3年間に赤字が出ていたり、資本金が少ない企業は許可を受ける事ができません
※管轄担当・時期等により判断は異なる部分があります。

■主な要件

1.宅地建物取引業者であること
 不動産特定共同事業ができるのは宅地建物取引業者のみとなります。不動産の売買や賃貸などの取引が関わってきますので当然と言えば当然ですね。

2.事務所ごとに業務管理者が設置されていること
 業務管理者とは以下の(1)~(3)の全てを満たす者を言います。事務所1か所ごとに業務管理者が1人必要です。
 (1)従業員であること
 (2)宅地建物取引士の資格を有していること
 (3)下記のいずれかに該当するものであること
  A) 不動産特定共同事業の業務に関して3年以上の実務経験を有する
  B) 不動産コンサルティング技能登録者
  C) ビル経営管理士
  D) 不動産証券化協会認定マスター

3.資本金が1億円以上であること(1号事業者の場合)

4.財産的基礎が基準を満たしている事
 財政状況に問題のある事業者が許可を取得し事業を行い、最終的に破産してしまったというような状況になると投資家に損害を与える恐れがあるため、事業者は一定基準の財政状況をクリアすることを求められます。
 (1)許可申請日を含む事業年度の全事業年度における財産及び損益の状況が良好であること
 (2)財産及び損益の状況が許可申請日を含む事業年度以降良好に推移することが見込まれること
 (3)資産の合計額から負債の合計額を控除した金額が、資本又は出資の額の100分の90に相当する額を満たすものであること

5.約款が政令で定める基準に適合する事

6.会計監査を受けた財務諸表の提出をする事
 2018年に当社が許可の取得を受けた際は、過去3年分の会計監査実施済みの財務諸表の提出を求められました。当然、書類については提出だけすれば良いわけではなく、監査内容に問題がない事が必要となります。

その他、役員や使用人が成年被後見人・破産者等でないこと、許可の取り消しの処分を受けてから5年を経過していない事などの欠格事由に該当していないことなどの細かい要件も必要となっています。

まずは投資先として検討している不特法事業者について、上記の要件をちゃんと満たしているかをチェックしてみると良いでしょう。

不動産特定共同事業者一覧

 前述の通り、要件が厳しいため全国的にも許可を取得している不動産業者はあまり多くありません。(2019年4月1日時点で全国で約150社)
 この法律が制定される以前は投資家保護の観点がなく、バブル崩壊により多くの事業者が倒産し多数の投資家が損失を被る事態が発生した経緯があるため、投資家を保護できるように事業参入のハードルを高く設定しています。
 まず存在しないとは思いますが、無許可で小口化商品を販売している悪徳業者もいないとは言い切れませんので、不動産小口化商品の購入を検討する際は、その業者が事業許可を受けているかは必ず確認をするようにしましょう。

 最新の事業者一覧は国土交通省のHPよりご覧頂くことが可能です。

 


 いかがでしたでしょうか?不動産特定共同事業を始めるには許可がいる事、許可を受けるには厳しい要件をクリアする必要がある事がご理解いただけたかなと思います。
 逆に言えば、不動産特定共同事業の許可を受けている時点で、国が定める一定基準のラインはクリアしているという事になりますので、投資先の信用度としてはある程度堅いものと考えても良いのではないかと思います。
 とはいえ、許可を受けた後に財政状況がおかしくなっている事業者や、ネットで色々と噂がされている事業者がいる事も事実としてありますので、実際に投資をする際は様々な角度から情報収集を行って、投資先の信用性は必ず確認を取るようにしてください。